2018年9月2日日曜日

ウクレレ・ジャズのテンションコードで『枯葉』を弾き語りしてみる(その1)。






ジャズスタンダードの『Autumn Leaves』(枯葉)の歌詞とコード表、4ビートのリズムとジャズ・ボサノヴァのテン
ションコードを弾きこなせれば、多くの人がご存知のこの曲を披露したり、セッションすることも可能だ。



小型の撥弦楽器:ウクレレはハワイアン楽器の伴奏イメージが強いが、ボディが小さく弦の長さも短いので、リズ

ム・カッティングを生かした軽快なサウンドが持ち味だ。また手軽に持ち運び出来るし、比較的安価なこともあり

愛好者も多い。このブログを書きながら、Jazz Groove(インターネットラジオ)を聴いていたら、Earl Klugh & Jake 

Shimabukuroのデュオが、「ホテル・カルフォルニア」をいい感じで演奏していた。最近は一楽器としてソロや他

楽器とのコラボを試みるミュージシャンも増えているので、色々とウクレレ表現の可能性が広がっている気がする。

私自身も、ボサノヴァギターとヴォーカルを師匠(中村善郎)に学んでいた時に、ウクレレの軽快なカッティングを生

かして、「Saudade da Bahia」(ドリバゥ・カイミ)や「Le Temps des Fleurs」(ヴィッキィ・リアンドロス)をデュオ

や弾き語りで発表会の折に披露したこともあった。また、TAKAバンドのライブで「雨に濡れても」(B.J.トーマス、

バート・バカラック)を弾き語りしたこともあった。ギターサウンドでは表現しにくい、リズムカルで軽快な

曲では、ウクレレを奏でてみたくなるのだ。


そんなことで、ソフトケースを新たに入手してウクレレへの思いが高まっている時に、テンション・コードを駆使

して(ちょっと大げさ!)、ハワイアンや単純な3コードでは表現しにくい曲に挑戦してみよう、ということで、ジャズ

とボサノヴァの雰囲気たっぷりのスタンダード曲を少し解説しながら紹介したいと思う。






ウクレレのコードは、これらが載っているコードブックを入手すれば大抵わかる。解るけれども引きこなすのは

結構大変だ。教室で先生に付いて、全体的に「テンション・コード」の仕組みを教えてもらうのが一番手っ取り

早いけれども、やはり時間とお金はかかりますね。ウクレレの弦は4本しかないが、実はボサノヴァギターの場合

も、最終的にフレットを抑えて和音を出しているのは4本だ。ジャズギターやフォークギターのように、フレット

を制覇して6弦を鳴らすことはない。右手はルート音(親指)と人差・中・薬指の4本でかき鳴らし、左手は親指を除く

(フレット裏を抑える)4本の指で弦を押さえる。従ってフレットを抑える際には小指をとても良く使う。これが他

のギターと違う点だ。だから、ウクレレのテンションコードも、小指を如何にうまく使うかがカギとなってくる。


また、上のコード表でいうと、Am(ド・ミ・ラ)にAから7番目のG#(#ソ)を加えたのがAmM7、G(ソ)を加えればAm7、

6番目のF#(#ファ)が加わればAm6となる。つまり、ド・ミ・ラのマイナー和音に一音が加わることで、緊張感(Tention)

のある・複雑で奥行きのある和音が奏でられるということなのだ。半音づつ落ちていく和音の響きは、なかなかニュ

アンスに富んでいて秋の夕暮れの様な情緒を醸し出せる気がする。また、ウクレレの弦は短いという特性があるので、

4音をできるだけ開放弦で奏でる方が、きれいな澄んだ音を実現できることも付け加えておこう(全てがそうとは言え

が)。また、ギターでは表現できる和音も、例えば Bm7b5 に続くE7b9 は、ウクレレでは同じ様な音になってしま

ので、よりきれいな E7 に替えてみる、というような工夫も大事だ。一つ一つ詳しくは説明できないが、ご自分で和

音を出してみて、より良い響きの、また弾きやすくてスムースにコード転換できる音を探してみられたらいかがかと

思う。





ウクレレにとっては、カッティングはとても大切な要素なので、如何に歯切れのいい心地よいリズムを刻むかが、

曲表現のポイントになる。「枯葉」の場合、やはりジャズらしい4ビート( ♪ チャーチャッカ チャーチャッカ ♪ )を上手く

表現出来れば、これに勝るものはない。ダウンストローク:Ⅴと、アップストローク:∧を強弱を付けて刻むことが

大切だ。このリズムに乗せて、英語の歌詞をテンポ良く唄えれば、スゥイングするジャズ表現も可能だろう。コード

とリズム、それに乗せた唄を繰返し練習すれば、自ずから道は開けてくると思う。ウクレレ演奏に興味のお持ちの

方は、一度トライされてみたら如何だろうか。


なお、この曲は、ウクレレ・ジャズの弾き語りにピアニカを加えて、後日YuoTube動画にアップする予定です。

用意できましたら、またご案内したいと思います。



【 「Autumn Leaves」ウクレレ動画のご案内 歌と演奏はTaka and Roco  





2018年9月 白馬フィールドデイにて収録


<この項つづく>


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