▢住民の質問に答える松原市長と市幹部職員達、市立第六小学校にて。画像は東京新聞(Tokyo Web)より
今回の、狛江市多摩川団地周辺(調布市染地と狛江市中和泉・西和泉地区)、および狛江市駒井・猪方地区の多摩川
増水による住宅地浸水については、狛江市が維持・管理する二つの排水樋管(六郷排水樋管と猪方排水樋管)の水門を
開けたまま放置したために、被害が拡大した恐れがある、市側は住民に対して十分な説明をするべきだ、との声が
高まり、狛江市は11月9日に市内二ヶ所で説明会を開いた。私自身は、狛江市民ではあるが居住個所の地形から浸水
被害には逢わなかった。しかし、いつ何時(多摩川堤防決壊や大地震などで)被害に合わないとは言い切れないし、昨今
の厳しい自然状況からしても、常日頃災害に備えなければならないと思っているので、この問題(水門開放放置による
水路逆流)についても大きな関心を抱いている。ということで、猪方排水樋管の説明会会場である第六小学校に出かけ
てみた。
増水による住宅地浸水については、狛江市が維持・管理する二つの排水樋管(六郷排水樋管と猪方排水樋管)の水門を
開けたまま放置したために、被害が拡大した恐れがある、市側は住民に対して十分な説明をするべきだ、との声が
高まり、狛江市は11月9日に市内二ヶ所で説明会を開いた。私自身は、狛江市民ではあるが居住個所の地形から浸水
被害には逢わなかった。しかし、いつ何時(多摩川堤防決壊や大地震などで)被害に合わないとは言い切れないし、昨今
の厳しい自然状況からしても、常日頃災害に備えなければならないと思っているので、この問題(水門開放放置による
水路逆流)についても大きな関心を抱いている。ということで、猪方排水樋管の説明会会場である第六小学校に出かけ
てみた。
市側は松原市長と幹部職員が出席し、小学校体育館に用意されたイスはほぼ満席(300人程)の住民が詰めかけ、市側から
は、被害が発生した日の気象状況(降雨量・多摩川の水位など)・排水樋管の役割とその日の操作状況・原因と今後の対
策について説明があった。その後、住民からの質問を市側の各担当者が応える形で、約2時間半程の説明会だった。会
場の住民からは、市側の説明に対し、怒号や叱責が飛び交い一時騒然となった。実際に浸水被害に遭った方達からす
れば、市側の説明がとても納得できないものだったためだろう。聞いている私も ? ? ? という答えが多かった。
は、被害が発生した日の気象状況(降雨量・多摩川の水位など)・排水樋管の役割とその日の操作状況・原因と今後の対
策について説明があった。その後、住民からの質問を市側の各担当者が応える形で、約2時間半程の説明会だった。会
場の住民からは、市側の説明に対し、怒号や叱責が飛び交い一時騒然となった。実際に浸水被害に遭った方達からす
れば、市側の説明がとても納得できないものだったためだろう。聞いている私も ? ? ? という答えが多かった。
話はちょっと変わって恐縮だが、私の生まれ故郷の長野でも、今回の台風19号の大雨で千曲川が氾濫し、堤防決壊
と浸水被害が甚大だった(TVニュースで新幹線基地の水没なども伝えられたが)。長野市の南側にある松代町(江戸時
代の真田藩統治)でも浸水被害はあったが、それは増水した千曲川の排水門を閉じたためだった。友人の話によると
内水氾濫はあったが、千曲川の堤防に設置された水門を閉じたことで、本流からの逆流を防ぎ、被害は最小限に抑え
られた、と聞いた。過去の水害経験を沢山経てきている所では、今でもその知恵がちゃんと生きているのを教えら
れた。
と浸水被害が甚大だった(TVニュースで新幹線基地の水没なども伝えられたが)。長野市の南側にある松代町(江戸時
代の真田藩統治)でも浸水被害はあったが、それは増水した千曲川の排水門を閉じたためだった。友人の話によると
内水氾濫はあったが、千曲川の堤防に設置された水門を閉じたことで、本流からの逆流を防ぎ、被害は最小限に抑え
られた、と聞いた。過去の水害経験を沢山経てきている所では、今でもその知恵がちゃんと生きているのを教えら
れた。
国土交通省(関東整備局 京浜河川事務所)作成の「多摩川河川維持管理計画」(平成29年3月作成) には、水門・樋門の
管理について以下のように規定されている。
「樋管・水門については、堤防としての機能、逆流防止機能、取水・排水及び洪水の流下 の機能等が保全されるよう、
維持管理するものとする。 樋管は、取水又は排水のため、河川堤防を横断して設けられる函渠構造物である。出水 時
にはゲートを全閉することにより、洪水の逆流を防止し、堤防としての機能を有する重 要な河川管理施設であること
から、連続する堤防と同等の機能を確保するよう常に良好な 状態を保持するものとする。」(66ページ)
狛江市の許可工作物として国から維持・管理を任された市担当者たちは、国と連携して、あるいは訓練・指導を受け
て、増水時の樋管管理を万全に実施できたのか? 大いに疑問である。排水樋管とは言え、第一に堤防である、という
ことを忘れたか?
狛江市側の説明①樋管の役割について:「市内に雨が降っている場合は、その降雨により市内に水が溜まってしま
うため、樋管を閉めることで返って水害を引き起こしててしまう恐れがある」ー 詭弁である。樋管管理の原則に
則っていない。
狛江市側の説明②猪方排水樋管の操作状況:「石原の水位観測所水位が6mを越えたため、安全を考慮して職員
は退避(当夜19:30)。引き続き降雨が見込まれたこと、多摩川への流れが確認できたことにより、開門のままとした。」
ー 嘘をついている。多摩川の最高水位が続いている状況で、逆流こそあれ多摩川への排水はありえない。
狛江市側の説明➂浸水原因:「多摩川の水位が上昇したことに伴う、市内排水不良によるものと思われる。」
ー 開けたままの水門からの逆流によるもの、ということを認めようとしない。
狛江市側の説明➄今後の対策について:「多摩川の水位を下げることが根本的な解決策であるが、今回起きた事象
について原因を究明し、対策について検討を進める。」ー ピントがずれている。責任転嫁としか言いようがない
「もっと早く樋管の水門を閉じていれば、被害の拡大を防げたはずだが、誰が(閉門を)指示したのか?」の出席者の
質問に対し、狛江市側の説明➅樋管を開けたままにするよう指示した担当部長(下水課を統括する環境部部長)の説明
:「私が指示しました。」のみ。- 判断ミスを認めようとしない。
(赤文字はブログ本人の見解)。
説明会出席住民からは、猪方・駒井地区では市職員が退避したという19:30以前の17:00ころには、すでに下水管か
ら泥水が噴出していたという証言や、市職員が退避する前に逆流はあったという証言が相次いだ。被害を拡大させ
た市側の責任は免れないと思う。狛江市が維持・管理する2ヶ所の排水樋管の開閉問題については、大手メディア
の取材記事がなく、東京新聞だけがこの問題を追及して来た(同じ担当記者による)。その記事(11月10日)によると、
最後にこう書かれている。
「説明会に参加した都水道局の元職員は「当時六メートルを超えていた多摩川の水位と排水路の高さを比べれば
水門を閉めるのは当然だ。賠償問題に発展する恐れがあるため、市は責任問題を回避し言い逃れに終始した印象だ」
と語った。
的を得ていると思う。市側は、45年前(昭和49年)の多摩川大水害(堤防決壊により19戸の家屋が倒壊し流された)の
後に起こった住民訴訟(18年の長きにわたって争われ、平成4年に住民側勝訴となった)の轍を踏むまいと、初めから
責任逃れをするために、色々な説明書類を用意してきたと思われても仕方ないだろう。市側は原因究明と対策を今
年度中にまとめる、としているが、被害をこうむった住民側からは、損害賠償の訴訟が起きる可能性は大だ。樋管
水門を開けたまま放置した責任を潔く認め、住民への補償を速やかに進めることが、一番の早い解決方法だと思う
が、行政はどう動くだろうか? 最近の国政の不祥事を何度も見せられ、責任を明確に採らない議員や役人たちを見
ると、事市政とは言え先行きが危ぶまれる。ただ一つの救いは、人的被害がなかったことだった。
東京新聞記事(11月10日)
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