2019年11月4日月曜日

GP前半戦からファイナル戦を予想する(ISUフィギュアスケート2019-2020) その1



ISU(International Skating Union)主催のFS(フィギュアスケート)GP戦(グランプリ・シリーズ)が、初戦スケート

・アメリカ(ラスベガス)を皮切りに、世界計6都市で開催され始めた。10月下旬から11月下旬にかけて、次のスケ

ート・カナダ(ケロウナ)、フランス杯(グルノーブル)、中国杯(重慶)、ロステレコム杯(モスクワ)、NHK杯(札幌)、

そしてファイナル戦は12月初めにイタリア・トリノで開かれ、今年度のチャンピオンが決まる。

現時点(11/4)ではすでに前半3戦を終え、主力選手たちは1回~2回出場し成績が出て来た。選手の中には後半2試合

に出場する選手(宮原知子 日)・サモデュロワ(露)もいるが、ファイナル戦(男・女シングル成績上位各6選手)に選出さ

れるだろう選手を予想してみた。これは、あくまで個人的見解であることをお断りしておく。とはいえ、シリーズ6戦

の表彰台に1度は上がっていないと、出場は危うい。画像はISU・HPより。




羽生結弦(日24歳)のスケート・カナダでのショートプログラム(SP)・フリースケーティング(FS)成績は、109.60+
212.99 計322.59 という驚異的な高得点だった。計6本の4回転ジャンプ(コンビネーションを含む)の出来栄えも良く
4Lo(4回転ループ)のみがよろけただけだった。GOE(出来栄え点)の合計であるEC(技術点)も高く、PCS(芸術点)は
5分野ですべて9.5以上。一つ一つの滑りに磨きがかけられて、質の高いスケーティングに仕上がっている。今年3月
の世界選手権でネイサン・チェンの後塵を拝したことで、スケート魂に火がついたのだろう。今シーズンは、今ま
以上に羽生結弦が注目されるだろう。



ネイサン・チェン(米20歳)は、スケート・アメリカとフランス大会を連続勝利し、合計299.09 / 297.16 という安定
した好成績で、ファイナル戦一番乗りだ。計6本の4回転ジャンプと3本の3A(トリプルアクセル)を組み込んだプログ
ラム(フランス杯)で、ジャンプの質も高く、ステップやスピンも高レベルで、全体にバランスが取れているのが素晴
しい。ファイナル戦での羽生結弦と彼の一騎打ちが見ものだ。




男子シングルは、3~4種類の4回転ジャンプを駆使する頭抜けた2人の好勝負になると思うが、羽生の気迫がネイサン

を圧倒するか? それとも、今年の世界選手権の様な高得点(323.42)を叩き打せばネイサンにも勝機はある。今シーズン

はルール改正により、演技の出来栄え点もシビアになり高評価と低評価がはっきりしてきた。特にジャンプに置ける

マイナス点は、回転不足(Under Rotation)・明確でない踏切エッヂ(Not Clear Edge)・悪い踏切エッヂ(Wrong Edge)と

評価が厳しくなっている。女子選手の場合は、上手くジャンプしたように見えても、これにより得点が伸びないケー

スがよくあるのだ。

世代交代が進んで、ミハイル・ブレジナ(チェコ29歳)、セルゲイ・ボロノフ(ロ32歳)、キーガン・メッシング(カ27歳)

などのベテラン選手たちが、GP戦の表彰台を逃したのもちょっと寂しいが、有望な若い選手たちの活躍が見られるの

も楽しみではある。以下、ファイナル戦に出場し、表彰台を狙える選手を挙げてみたい。3位は混戦だ。どの選手にも

チャンスはあると思う。




芸術的な滑走では、ジェイソン・ブラウン(米24歳)が頭一つ抜けている。アメリカ杯では、ネイサンに次いで
合計255.09で表彰台に上がった。ブライアン・オーサーコーチの元で、彼はジャンプに磨きをかけて来た。4回
こそ飛ばないが3Aをものにし、他の3回転ジャンプの質も上げてきている。持ち味のクリアなエッヂワークで
ップやスピンのPCS(芸術点)を上げて、ファイナルで表彰台に上がれれば本望だろう。



ナム・グエン(カ21歳)のカナダ杯FSの演技は素晴らしかった。4S(サルコー)とコンビネーションのGOE(出来栄え
点)はともに3点近い高得点、合計262.77で羽生についで表彰台に上がった。



アレクサンドル・サマリン(ロ21歳)の持ち味は、長身(178㎝)の身体から繰り出すジャンプ、迫力満点だ。フランス
大会のSPでは、4Lz(ルッツ)+3T(トゥループ)のコンビネーション・ジャンプを決めてGOE4.4(満点!)を獲得し
た。合計265.10で、ネイサンについで表彰台に上がっている。



身長160㎝と小柄ながら、地元フランス杯で、3位表彰台に上ったケビン・エイモス(仏22歳)、合計254.62は好成
績。4T(トゥループ)と3Aの精度をもっと上げて来れば、好成績も可能だ。




その他、ド三トリイ・アリエフ(ロ20歳)、田中刑事(日24歳)も前半戦で表彰台に上がってはいるが、ファイナル戦出場

はどうか? トップ2選手が頭抜けているので、本命レースで終始する可能性が高いと思われるが、果たして如何に?

今年の世界選手権3位のヴィンセント・ゾウ(米20歳)はGP戦欠場、宇野昌磨(日21歳)はフランス杯でSP・FSともに

ジャンプの転倒が続き圏外へ去った。やはり、主任コーチがいない状態で戦うのは無理だろう。優秀なコーチとの

二人三脚で奮起を望む。



<この項つづく>



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