▢竿かづの6本繋ぎ山女魚竿の修理を快く受けてくれた「つるや釣具店」店内で、ぱちりと記念撮影。修理窓口と
なってくれた店長山城さん(画像も撮影)には大変お世話になった。今回の記事は「MY和竿を巡る渓流釣りの記憶
(その3.竿かづと尺山女魚)'19.8/31」の記事と併せてご覧ください。All Photo by Jovial TAKA
穂先の根元が折れて、穂持(並み継竿の先端から二番目の竿)の上部にめり込んだまま使用不能となっている山女魚竿
(4.5m)を、如何に修理したものか? と思案はしていたが、この渓流釣りシーズンオフに何とかしたいと思い動き始
めた。方法として、①竿を購入した(もう40年以上前!)釣具店に相談する、この場合すでに和竿の扱いや修理をして
いないこともあり得ると思った。では②として、「竿かづ」の技術を継承しているお弟子さんの工房に直接持ち込
んで修理してもらう、この二段構えで行くことにした。
京橋から浅草に移った「つるや釣具店」のホームページに、メールによる問い合わせの受付があったので、事情を
話して修理可能かを問い合わせてみた。この場合、穂持にめり込んだままの穂先を取り出せるものなのか? それが
できない場合は穂持を新たに作ることが出来るか? (まだ未使用の替え穂先が手元にあるので) それぞれ凡そ幾ら位
の費用がかかるものか? という質問だった。併せて、途中ブランクがあるものの、長年渓流釣りを楽しんできて、
何とかこの竿を再び渓流釣りに携えて行き、竿としての使命を全うさせてやりたい、とのコメントも添えた。
返事はすぐ翌日に来た。竿かづの技術を継承しているお弟子さんが竿師工房を営んでいるので、修理はできると存
じます。穂持から折れた穂先の部分を抜き出すことは、多分出来ると存じます(費用3,000円ほど)。新たに穂持を
作る場合は、時間をいただきますが可能です(費用は35,000ほど)、いずれの場合も承りますのでよろしくお願いしま
す、とあった。短い簡潔な返事であったが、これほど相談者の意に充分に答えてくれた内容はめったにないことな
ので、とても安心した。とにかく、要修理の竿を持って店に行き、後はお店と竿職人さんに任そうと思った。来春ま
でに仕上がればいいのだから急ぐこともないし、竿が直って来れば、再び渓流に携行する楽しみが増えるのだから、
と、先が見えた喜びで気持ちが高まった。
▢浅草寿1丁目にあるつるや釣具店、トラウトをあしらった2枚看板が目印。フライフィッシング専門店としての営業
内容は、雑誌(Fly Fisher Online)のお店訪問記事があるので参照いただきたい。
10月の末にお店に持ち込んだ竿かづの竿は、約1ヶ月ほどして修理出来上がりの連絡がお店から入り、早速11月末
に引き取りに行った。穂先の折れた部分は穂持から取り出され、竿と竿を繫ぐ「すげ口」の甘かった部分も直して
もらい、使用中に曲がり癖が付いていた竿先部(穂先・穂持・穂持下)も、火入れしてほぼ真っ直ぐに治っていた。
当初お店訪問の際は、曲りなおしの火入れと併せて修理するともっと費用がかかる(倍くらい)との見積もりだったの
が、全部含めて3,000円とのとても良心的価格だったのには驚いた。竿職人さんも、先代師匠の竿を修理するとい
うことで、心意気の価格だったのかもしれない。山城店長も言っておられたが、「タナゴやハゼ釣りに、今も一部
和竿を使う方はいますが、渓流釣りはほとんどいないでしょうね!」と苦笑していた。「となると和竿を使い続ける
私などは、歴史遺産、はたまた歴史遺物の部類に入りますね」と笑い合ったものだが。
▢取り出された折れた穂先の一部(画像上部)、専門工具がないと素人には無理。
その時に、竿かづの引き取りがてらに、もう一つの竿を修理に持ち込んだのだが、ここ3年ほど使い続けた「俊行作」
の山女魚竿(4,5m)の曲がり癖を直すために、火入れと竿繫ぎの込み直し(漆塗りのすげ込みがしっかりすげ口に入
らないと竿が折れやすい)をお願いした。この竿も、曲がりが直ってすっきりすれば、また来春からの渓流釣りに携
えていける。これでまた、渓流釣りの新たな楽しみが加わることになるぞ! と今から心が浮き立ってくるのは、何と
も嬉しいことではないか。
▢綿製の竿袋は経年変化で経たり破れてしまったので、丈夫なポリエステル生地(エプロン生地を代用)で新しい竿袋
を作った。銘は字を起こしてゼッケンなどに使う糊付き生地にプリントし、アイロンで圧着。これで一安心。
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