2012年8月30日木曜日

夏の終わりに、佐島マリーナと立石公園の夕陽を見る。




運がよければ巨岩の向こうには富士山と沈む夕陽が見えるのだが...All Photo by TAKA
暦の上では処暑も過ぎ、秋の気配が押し出してくるはずなのに、ここ数年日本の夏は暑くなるばかり、8月の終わりでも、猛暑と熱帯夜が収まらない。夏バテ気味の心身を少しリフレッシュしようと、絵友HIさんの誘いに乗り、湘南の海へドライブに出かけた。平日だし、海水浴シーズンも終わりに近いので、混雑はさほどないだろうとの思惑と、HIさんは画材の景色を探して、私はただ、夏の終わりの海を見たくて、相乗りさせてもらった。
快晴に晴れ渡った夏空の上に、卷層雲が刷毛ではいたように白く漂っていたが、この日は南風が強く、海から海岸やヨットハーバーに押し寄せる波はかなり高く、くだける白波が大きな飛沫を上げていた。余り見たことがない゛天気晴朗なれども波高し゛の海景色だった。
葉山の海に向かう車中では、持参したボサノヴァの2枚組みCDを聞きながらだったが、ボサノヴァの名曲アンソロジーということもあって、久し振りに聞く曲もあった。゛午後の車中のボサノヴァ゛というのは、やはりいい。仕事や忙しい日常を離れて、リラックスした気持ちをさらに心地よくしてくれる。 

佐島マリーナのホテル・レストランで遅いランチを取りながら、窓越しに見える午後の海やヨットハーバーをゆったりと眺める。

♪ 晴れた午後には遠く 三浦岬も見える ♪

ユーミンの「海を見ていた午後」がふと歌えそうな眺めだが、BGMで流れていたのはやはりボサノヴァ、MPBの若い女性歌手の歌声だった。ゆったりとしたいい雰囲気だった。

お腹を満たしてから、夕陽を見ようと、少し戻って立石公園に向かった。県営の駐車場(無料)と公園があるので、駐車スペースに車を止めた。防波堤に寄せる波はかなり高く、5m程の堰堤を乗り越えて波飛沫が車にかかるほどだった。
 立石公園は、海岸の海中にそびえ立つ巨岩(高さ11m・円周30m)の名所で、「秋谷海岸」の別名でも知られている。周囲に公園と遊歩道が整備され、180度の海のパノラマと立石の絶景が楽しめる。

この日の夕景色は、風に波立つ白い海と、寄せては返す大きな波の向こうにゆっくりと沈んでいく夕陽を、飽かずに2時間ほどゆっくり眺めて過ごすことができた。刻々と変わっていく波の動きと色、空の雲も、筋状の巻層雲と高層雲、それにぽっかりとした低層雲が風に運ばれて刻々と変わっていく。

水平線に近いところでは、雲の層が厚く漂っていたので、水面に沈む瞬間の゛真っ赤で大きな太陽゛を見ることは出来なかった。しかし、こんなに飽きずに海と雲と夕陽を見たのも何年振りかと言う位眺め続けていた。












広重の浮世絵版画(上)と、晴れた日の立石の景色(下:painfo.netより)
帰ってからネットで調べてみたら、この立石公園の巨岩と一緒に見られる富士山の景色は、広重の浮世絵版画にも描かれていて、「相州三浦秋谷の里」のタイトル作品があるとのこと。また、季節と時間と天候の運に恵まれれば、「巨岩と夕陽と富士山」の3セットに遭遇するチャンスをモノにすることが出来るわけだ。どおりで、絶景の撮影スポットにはカメラおじさんたちが三脚を立てて、シャッター・チャンス待ちながら、大勢でたむろしていた訳がわかった。
興味ある方は、立石のYou-tube画像を以下のアドレスで覗いてみてください。
http://www.youtube.com/watch?v=tiSv-N3x4Pc
夏の終わりの、巨石と夕陽とボサノヴァのすてき旅だった。

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