2012年9月26日水曜日

ピタ' グラスの定理と南仏ワイン


南仏の白ワインと合わせた2品、゛生シラスのレモン・醤油掛け・菊花のせ、とスパゲッティ・ボンゴーレ・焼きズッキーニ和え。爽やかなフルーティ味のワイン・グラスに<ピタッ>と合った。
Photo by TAKA
グラスの中のワイン(ビール・日本酒や焼酎などの食中酒)と調理された料理が<ピタッ>と合うことを「ピタ' グラスの定理」と言う。これは、元ビールメーカーの役員だった渡辺○○さんが、世界中のワインと料理を飲み歩き・食べ歩きして書いた本に出てくるキャッチ・フレーズだった。その本はもう手元にないので、本題も作者名も正しようがなく、ただ、とても面白い本だったことは今も覚えている。テーマは、その「ピタグラスの定理」で、ひたすら美味しいワインと美味しい料理の相性を求めて、世界を旅する、という楽しい本だった。
美味しい食べ物とお酒を求める人間の欲求は、止まることを知らないというが、「海の幸と山の幸の合体」とか、「美味しいワインと食材のマりアージュ」とか、表現の仕方も様々だ。別に、そんな高級なグルメでなくても、日常私たちも、季節の新鮮な食材を手ごろな値段で求めて、お店で食べたり、自分で調理して日々の楽しみを味わっているわけで、そういう私も、「今夜は何を食べようか? 」と日々想いを巡らしているのだ。
海外旅行から帰った食友のRKさんから、お土産に白ワインをいただいた。何気なく(今の若者は゛ナニゲに゛と言うが)ラベルがきれいなので選んだ、と言っていたが、実は結構な逸品なのだ。私は一時期(10~15年ほど前)、ワインや日本酒と料理との相性を求めて、ワインは恵比寿のガーデン・プレイスの地下にある「パーティ」(サッポロビール直営・世界のワインが集められている)というワインショップに週末の金曜日に寄り、白と赤を一本づつ買い求めては、土日に色々な料理を試み、そのワインとの相性を探求していたのだった。お店の奥のカーブには、一本ウン十万円の゛ロマネ・コンティ゛や、高級ワインがずらっと並んでいたが、こちとらは食中酒だから、一本千円台から3千円位のお手頃もので充分。でも、探すのがとても楽しくて、これで世界のワインを随分と覚えた。


小さなノートに、そのワインの印象を自分の言葉で書き、作って合わせた料理メニューと相性を記したものが3冊ある。これで、ワインと日本酒を随分探求できた。「シャトーヌフ・デュ・パプ(゛法皇の新しい城゛の意味)」は、私の好きな銘柄上位3種に入るワインだった。
今は季節の変わり目なので、鮮魚も端境期。何時も寄る食品スーパーオオゼキにも、秋刀魚やイサキ位しか見つからず、青魚もいいものがなかったのだが、生きのいい生シラスがあったのでこれを入手、それといい浅利があったのでこれに決めた。料理はいい食材が手に入るかどうかで、大方八割方決まってしまう。それを求めて、東奔西走することを゛ご馳走゛と言うそうな。「生シラスのレモン・醤油掛け・菊花のせ」と「スパゲッティ・ボンゴレ・焼きズッキーニ和え」2品が、「シャトー・ヌフ・デュ・パプ / クロ・ド・ロラトワール / ブラン」に合わせた料理だ。

ローヌ川が流れる南仏のアヴィニョン地区のワインは、シラーやグルナッシュなど、スミレの花のような香りと、黒コショウやブラックオリーブのようなスパイシーな風味を持つ葡萄種がメインで、皮の渋みも少ないため、タンニンは滑らかなのが特徴だ。この点では、ボルドーの渋く重い味とは大いに違っている。ブルゴーニュのきりっとした酸味の利いた味とも違う。
テイスティング・グラスにこのワインを注ぎ、手のひらでゆっくり廻すと、華やかな香りが立ち上がってくる。一口含んで舌の上に乗せ、歯茎の裏まで廻してみると、爽やかな酸味が口一杯に広がる。のどから胃に落とすと、しっかりとした果実味が食道を通っていく。結構パンチがあるのだ。

生シラスのねっとりとした歯ざわりに、レモンと醤油が溶け合い、このワインの爽やかな味と「ピタ」・「ピタ」・「ピタ」だった。ニンニクのスライスは弱火で一旦揚げてから、あとでスパゲッティに振り掛ける。ズッキーニもフライパンにオリーブ・オイルをひき、予め両面に焼き目をつけておく。玉ねぎをいため、浅利とこのワインを同時に入れて蒸し上げる。塩・胡椒・ほんの少しの醤油で味付けし、茹でた麺とからめ、器に盛ってから、ズッキーニ・ニンニクスライスを乗せ、粉チーズを振る。仕上げにオリーブ・オイルをひと掛け。このワインとの相性は? ...「ピタ」、5つくらいだった!!




純米酒・純米吟醸酒を中心に、日本酒も随分沢山の銘柄を試飲し、作った料理と合わせてみた。

今でこそ、自身の健康を考え、酒量も控えているし、また、ワインや日本酒、ビールよりも、食中種は焼酎をベースに、お湯で割ったり水で割ったりが多いのだが、食友からいただいたワインは、ちょっと昔の゛料理と酒の探求の日々゛を懐かしく思い出させてくれるきっかけとなった。あの、楽しい日々の中で、1番大変だったのは、実はビンのラベル剥がしだった。ほんとに、破けないように剥がすのは、なかなか工夫が要ったのでありますよ。
ワインに興味のある方は、以下のHPを覗いてみてね。
http://www.shigematsu.jp/p_recommend/3_body.html


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