▢染井公園の中央に植えられた枝垂れ桜(上)は、樹齢がまだ
若いせいか、枝も花色も勢いがある。枝垂れ桜はエドヒガン系
なので、花色もソメイヨシノに較べて赤みがやや濃く、花弁もやや
小さいが、枝への花付は密集するので、見ごたえがある。晴天
の青空と白い雲に映えていた。All Photo by TAKA
▢クリスマスローズ(中)は、春花なのに、なぜ「クリスマス~」なのか?
もともとは、雪の中で開花するのにちなんだ命名で、H.ニガー系は小
型で純白の蕾が開花すると紅褐色になることが多い種類。日本で多い
のは、H.オリエンタリス系で、春咲き種だとのこと。これで疑問が解け
た。キンポウゲ科ヘレボラス属の常緑多年草。花姿は下向きに咲くの
で、カメラは地上10㎝位から上向きに撮らねばねばならない。「~ハ
イツ」のアパートの一角で。
▢三つ葉つつじ(下)の薄紫の花色は、品があっていい。ツツジの多くが、
割と原色のはっきりした花色(赤・橙・黄・紫・白)なのに対して、この花は
柔らかな色合いを持っている。花が終わってから枝先に三枚の葉が出
てくるのが名前の由来。最近は、公園などでも見かけるようになった。
染井公園にて。
▢花海棠の可憐な花姿を見ると思わず顔がほころんでしまう。私はこ
の花が好きだ。放恣な枝の伸び具合、下向きに付いた濃い薄紅色の
蕾はさくらんぼうを連想させる。花開けば、枝一杯に5弁花を連ね、春
爛漫の雰囲気を漂わす。作家の高橋治氏が、この花を称して、「トラン
ジスタ・グラマーで顔もかわいらしく、今言ったことを次々と変えて男
を振り回す小悪魔的な女の子」みたいだ、と言っていたが、なかなか
的を得ている気がする(私は氏程女性の多くは知らなが...)。先
日、NHKのお天気ニュースで、担当女性アナがこの花を「海棠桜」と
紹介していたが、海棠はサクラと同じバラ科ではあるが、サクラ属なの
だろうか? 多摩川沿いの団地の一角にて上)。
▢ラッパ水仙(中)は、水仙の中でも大振りで見栄えが良い。この水仙
の花色は、クリーム掛かった白でちょっと珍しい色だ。花弁の形もすっ
きりとした6弁花で、真ん中のギザギザ弁との対比が面白い。今年の
春先に、城ケ島の八重咲き水仙を見る機会があったが、あの八重咲
きも珍しい種類で感心したが。ヒガンバナ科スイセン属の多年草、近
所のお宅の花壇にて。
▢雪柳の花枝が春風に揺れる様は、なかなか風情があると思うが、
この花の枝はよく伸びるので、時折に剪定しないと伸び放題になって
しまう。しかし余りに切り詰めると花姿が楽しめないのがジレンマ。
薄紅色の郁李(ニワウメ)と白の雪柳が寄せ植えになった珍しい風景。
近所の団地の庭にて(下)。ニワウメはバラ科落葉低木、同種に山桜桃
(ユスラウメ)もある。
今回も参考にした座右の銘「四季花ごよみ」(講談社刊1994年版)、四季の花々だけでなく、折々
の短歌や俳句も満載した花の百科事典、16年間愛用しているがとても使い勝手がよく、花を知る
上では欠かせない、まさに私の座右版です。
<この項終わり>
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