▢フランス杯で表彰台に上ったのは、ユリア・リプニツカヤ(銀RUS)、エレーナ・ラジオノワ(金RUS)、
アシュリー・ワグナー(銅USA)の3人、ロシア娘たちの活躍が際立っていた。 All Photo by Zimbio
今シーズンのフィギュアスケートのフランス杯をTV録画で見た。正式には、『ISUグランプリシリーズ ・ボン
パール杯 フィギュアスケート国際競技会2014』という長いタイトルがついているのだが、国際スケート連盟
(ISU)主催の競技会で、10月下旬から12月中旬まで世界各地を転戦する中のランス大会だ。アメリカ(シカゴ)
⇒ カナダ(ケロワナ) ⇒ 中国(上海) ⇒ ロシア(モスクワ) ⇒ フランス(ボルドー) ⇒ 日本(大阪) の6ヶ所で
開催され、その上位成績選手(達)6人による最終戦(Grand Prix Final)が、今年はスペイン(バルセロナ)で
行われてシーズン・チャンピオンが決まるのだ。ここに載せた画像は、例によってインターネット・サイトの
ZIMBIOによるものとお断りしておく。
ジュニア、またはジュニアから上がってきたばかりの若い選手たちだ。
表彰台真ん中(金)のエレーナ・ラジオノワは15歳155㎝、フリーでは、
『ピアノ協奏曲第3番』(ラフマニノフ)のドラマチックなメロディに乗って、
すべてのジャンプを成功させた。コンビネーション・スピンも滑らか、
ステップも軽やかで、最後まで滑走のスピードが落ちなかった。2012年
と2013年の世界ジュニア・チャンピオンを制した勢いをそのままGPS戦
に持ち込んできた感がある。先のアメリカ杯に続く優勝(2回目)で、GPS
ファイナルの出場枠をいち早く決めたが、スピードに乗ったバランスのいい
演技は、ファイナルでの表彰台を予感させるものだった。(フォトはフリー
演技のもの)
ユリア・リプニツカヤ(銀RUS)は、冬季ソチ・オリンピックの団体戦金
メダルで記憶にも新しいが、やはり確実に力をつけてきているロシア
勢の一人だ。フリーでは、映画『ロメオとジュリエット』のテーマ音楽に
乗って滑ったが、こういうロマンチックな曲でも演技できることを見せて
くれたのが良かった。彼女の特技のキャンドル・スピンを組み込んだ
コンビネーションスピンはやはり迫力満点だったが、ジャンプ(3回転
フリップ)を一度ミスしたことが、最終的にラジオノワに次ぐ2位となる
結果となった。中国杯はエリザベート・ツクタミシュワ(金RUS)に次ぐ
2位、これでGPSファイナルの出場を決めたが、ファイナル戦ではどんな
演技を見せてくれるかが楽しみだ。(フォトはショート演技)
アシュリー・ワグナー(銅USA・23歳)は、今回出場女子選手の一番年上だ
というから驚いた。日本の鈴木明子は28歳まで現役だったが、これは高齢
選手としては珍しい口で、ロシア勢の女子選手がほとんど10代中心なの
を見ると、随分と選手層が若返った気がする。しかし、ベテランの味という
ものを存分に見せてくれたワグナーの演技は良かった。映画『ムーラン・
ルージュ』のテーマ音楽に乗って、キレのあるジャンプと、滑らかで優雅な
スピン・ステップで観客を魅了した。長らく競技会の華だったカロリーナ
・コストナー(伊)が第一線を退いた後、優雅なスケーティングを見せて
くれるのは彼女が第一人者だろう。カナダ杯では2位の成績、あと一つの
GPS・NHK杯の結果次第だが、ファイナル戦に登場する可能性は高いと
思う。(フォトはショート演技)
さて、GPS戦は今週末に大阪でのNHK杯を残すのみとなった。女子シングル戦には、グレイシー・ゴールド
(USA・アメリカ杯3位)、村上佳菜子(日・中国杯3位)、宮原知子(日・カナダ杯3位)が出場予定だ。ロシア杯で
チャンピオン(金)となった本郷理華(日)の出場はないが、NHK杯の結果でファイナル戦の出場者が決まる。
今回のフランス杯の結果を経て、すでにファイナル戦への出場を決めたロシア勢4人の実力はかなり高い
ものと思われる。アンナ・ポゴリーナ(フォト上・RUS)は、すでにカナダ杯を制し(金)、ロシア杯でも2位の成績
だし、ツクタミシュワは中国杯を制し(金)、アメリカ杯では2位に食い込んでいる。ロシア4人娘たち、恐るべし!!
ここに、アメリカ勢2人と日本勢2人がどこまで食い込めるのか、華麗な氷上の戦いは、がぜん面白くなって
きた。
0 件のコメント:
コメントを投稿