2016年4月10日日曜日

シルク・ドゥ・ソレイユ・『TOTEM』 東京公演を観た!



『TOTEM』のテーマ・メインビシユアル、樹木・カメ・カエル人間・蝶・竹など、自然物のイメージを組み合わせたロゴで
表現されている。 All Photo by 「フジテレビ・ダイレクト」HPより。


ダイハツ工業・特別協賛の シルク・ドゥ・ソレイユ『TOTEM』を、お台場のビック・トップで観てきた(4月5日)。日本公演はフジ

テレビジョンが主催、企画はシルク・ドゥ・ソレイユ(フジ~も共同企画)だ。前回の公演(2014年4月25日に観た)『Ovo』以来

2年振りとなる。その時の感激は今でもよく覚えているが、このブログにも以下のように載せている...「各出演者(゛アーチスト゛

と呼んでいた!)の身体能力とパーフォマンスのレベルは高く、衣装の色やデザイン、芸の道具仕立てと舞台構成の素晴らしさ、

そして全編オリジナル曲を生演奏で聞かせてくれる音のハーモニーの心地よさと迫力。『かってないスケールと芸術性を

融合したアクロバットの数々』(パンフより)と謳われるのも納得できると言うものだった。」 演目の違いこそあれ今回も見ご

たえ十分、30分の休憩を挟んで、あっという間の2時間半だった。今回の公演の中から記憶に残るパーフォマンスを幾つか

ご紹介しよう。


『ロシアン・バー』:長さ5m×20㎝位の細長いばね板の上で、飛び跳ね・回転する゛宇宙遊泳人間゛の様なアクロバット。
3人が並行するバーの上で飛び交い位置替えするのにはビックリ。衣装もアポリジニ・アートのような、カラフルで不思議な
幾何学模様だった。迫力とスリル満点!



『ユニサイクル・ウイズ・ボール』:インドネシアの原住民のような衣装の女性たちが、高さ2mの一輪車を漕ぎながら、
金属のボール(お椀)を片足で投げ飛ばし、それを頭の上で受ける集団アクロバット。連続10枚というチョー難しい技だが、
ほとん落とさずに観客から大拍手!!!



オープニングで、ステージ中央にある巨大な亀の甲羅(地球上の生命の起源を象徴しているとのこと)で始まるカエル
達のパーフォマンス。平行棒で、2・3人同時に棒から棒へ飛び移り、宙を舞う姿は圧巻だった。




『フィックスト・トラビス・デュオ』:空中ブランコのアクロバット、恋人同士ような男女二人がつなぎ合い・絡まり合いながら、
極限の空中フォームを披露する。よくそれで落ちないね! と感心しながら観ていた。




『ローラースケート』:結婚式の白い衣装に身を包んだ男女2人によるアクロバット、直径1,8メートルの台の上で回転し
旋回する。特に、二人の身体を首輪でつないで、女性が自転しながら高速で回転するのは、深い信頼関係がなければ
不可能な技だと思った。手に汗握っちゃいました!



『TOTEM(トーテム)』というネーミングは、「太平洋岸の北米原住民族間で自分の部落の表象とする動物またはその他の

自然物;彼等はそれを自分らの先祖として神聖視する」(CROWN・英和辞典より)と辞典にある。私達には「TOTEM POLE」

(トーテムポール);トーテムの像を丸太に刻んで色彩を施したもので、悪魔よけとして家の前に建てる(同辞典)の名で馴染み

がある。モチーフとなって彫り込まれているのは、自然界の動物や鳥、湖や海・川に住む魚や動物、また先住民が伝承して

きた神話や伝承に登場する怪物や超能力的な存在等だ。シルク・ドゥ・ソレイユは現在、世界中の各都市で18の演目を同時

公演していると聞くが、この『TOTEM』も2010年の初演以来、アメリカ・ヨーロッパ・オセアニアなど7ヶ国33都市での公演を

続けている(400万人以上動員)。演出家のロベール・ルパージュが創りだした幻想的な世界観は、原始の世界あるいは

先住民たちが住んでいた豊かな自然や超自然的な霊物の存在を彷彿とさせるイメージに満ちている。「宇宙から舞い降りて、

地球に生命を与える」役の『クリスタルマン』(キンキラキンに光る衣装で天井からロープで降りて来る!)もそうだし、『フープ・

ダンサー』(インディアンの衣装に身を包んで、6個の輪投げを自在に操る)にしてもそうだ。



『クリスタルマン』は、ほとんど逆さづりになったままで天と地の間をロープで上下する。いやはや、頭にみんな血が
上って(いや、下がって)しまうのではないかと心配した。


それらのアーチストたちが次から次へと繰り広げるアクロバットの凄技は、ステージ中央奥に設けられた楕円形の板状ステ

ージに、プロジェクション・マッピングで映像(画像や動画)が写しだされ舞台のイメージが造られていく。そしてその中央が

可動式ステージとなって、ステージがせり出したりカーブして上方に畳まれたりして、アーチストたちが登場し退出していく。

最新のテクノロジーによる演出は迫力満点だった。舞台を見続ける私は、手に汗握り心臓はバクバク、上を見上げては

口をあんぐり開けたまんま...楽しかったけれど結構疲れた~! だった。ラテン・サウンドの音楽も良かったし、キャラクター

達(サンエンス・アーチスト、クラウン・フィッシャーマン、ヴァレンチーノ等)のコミカルな動きも楽しめた。

前回観た『オーヴォ』は、集団空中ブランコや巨大な壁(10m位)にトランポリンで跳ね上る集団芸など、スケールの大きな

アクロバットが多かったが、今回の『TOTEM』は、1人または2人の超絶的アクロバットが多く、曲芸の原点を見るような楽しさ

があった。世界各地で人気を得ているのも、そんな解りやすいアクロバットであることによるのだろうと感じた。私のシルク・ドゥ

・ソレイユ好きを知っていて、チケットを手配してくれたHIさんも、大いに楽しめた、と言ってくれた。会場の観客も老若男女

・家族連れ・孫連れ・カップルなど非常に広い客層だったことも、この公演の人気ぶりを見させてもらった。



『フィナーレ』で、空中釣りのクリスタルマンを中心に、歌い踊る出演者たち、もちろん音楽は陽気なラテン・サウンドだった。


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