■「道の駅 潮風王国」の広い駐車場の前には、切り花販売の露店が立ち並び、後方の広い花畑でお花摘みが
できるようになっていた。摘み取ったお花は持ち帰れる(結構割安)。平日でもお客が散見され、いろんな
種類の色とりどり花が咲いていた。写真はストック畑。All Photo by TAKA
この小旅行の目論見は、一足早い春を房総半島の南端で感じることと、美味しい海の幸を満喫すること、そして
「房総フラワーライン」で、きれいに咲く花々を見ること、などだった。昨夜の宿の夕食で食の目的はほぼ達した
ので、2日目は花々を求めてあちこち立ち寄りながら気ままなドライブをすることになった。HIさんの愛車ホンダ
のFITは、コンパクトなハイブリットカーなので燃費もよく、窓ガラスの視界も広く運転もし易いので午前中はまた
私の運転だった。
■朝日が海から上る様子を見ようと朝早起きしたが、生憎の雲がまだ晴れず、南の海に面した部屋からは朝焼け
雲しか見られなかった。大浴場の温泉で浸かってから、朝ごはんとした。早目の9時チェックアウト。
宿の駐車場に車を置いたまま、すぐ先の野島崎灯台周辺を散策した。入口の厳島神社では石彫り七福神を見てお
参りし、野島崎灯台ではてっぺんの物見台に人影があったので(おばさん2人!)、我等も登ってみようということに
なった。らせん階段を70段、その上の鉄製急階段を2ヶ所登り、鉄柵の付いた屋上に出て見ると、南側の太平洋の
眺めと北側の白浜海岸の眺めが素晴らしかった。雲も晴れて快晴の青空が広がっていた。これを見られただけで
も今回のドライブ旅行の価値があったというものだった(フォトはその1参照)。その後、遊歩道先の岩礁群にある
「朝日と夕日の見えるベンチ」に座って太平洋を眺めたりした。風はやや強かった。
■南千倉海水浴場の広い海岸線と砂浜、オフシーズンの海は空気がきれいで浜辺もゴミなどなく、寄せては
返す波だけが白く光っていた。
外房の海岸線を走る房総フラワーライン(410号線)は、館山から白浜・白子を繋ぐ一般道路で白子から先は297号線
となり、和田町で終わりその先は房総黒潮ライン(128号線)となる。景観の良い走りやすい道で、道路脇には菜の花
やローズマリーが咲き続いていた。ローズマリーは地味な花なので、始めは「フラワーラインと言っても、なにも
咲いていないね~!」などと話していたのだが。道は時折海岸道路の方へ入り、またフラワーラインに入るのを繰り
返しながら、漁師町と魚港を縫う様に続いていた。快晴の好天気で運転も気持ちが良かった。千倉町の一角に海岸
に面した大きな建物と駐車場があり、「道の駅 潮風王国」と看板が掲げられていた。「う~む、王国とは大きく出
たな!」と感心しながら車を止めてみると、これが魚市場ちくらと旬膳はな房(海鮮料理店)だった。道路を挟んだ北
側には、花売りの露店がいくつも並んでいたので、帰りにまた寄ることにした。これが結果良かった。
■花摘み畑に咲き揃っていたキンセンカの花々、オレンジ色の鮮やかな花は、やわらかな春の陽射しを
浴びて輝いていた。一足早い春を実感。
その後、白子のローズマリー公園にちょっと寄ろうとしてパスし、JR外房線の和田浦駅近くに小奇麗な木造りの
売店(道の駅?)があったので立ち寄りしばらく休憩した。鴨川まで行く予定だったが、海岸線のドライブもほぼ満喫
したので、ここから引き返し再度花摘み店を覗いて途中昼食にしようと、運転を代わってもらい来た道を戻った。
「道の駅 潮風王国」と名付けられた施設の前にある花売り露店で連れが切り花を物色する間、後ろの花畑に廻って
みたらその広さにびっくりした。ストックや矢車草、キンセンカやキンギョソウなどが一列に植えられていて、鉄
柵やビニール屋根で囲われた花壇の間を通り道が空けられていた。花摘む人はそこで畑のオーナーや係員に案内さ
れて花を切ってもらうのだ。切り花をゲットし、南側の魚市場ちくらを覗いてみると、鮮魚や干物、海苔や佃煮が
沢山そろっていたが、HIさんが目ざとく見つけたのは、袋詰め放題200円の花開いてしまった菜の花だった。詰め
るだけ詰めてどっさりと買っていくおばさん客を見て、スウィッチが入ったらしい。店番の女性も、「花開いたら
売り物にならないから一杯持って行って! 茹でて食べたら柔らかくておいしいよ~!」と宣った。お友達へのお土産
に丁度いいといい、4人分をゲットし中から、私もお裾分けしてもらった。実際家に帰って、チャンポンの具にし
てみたら、やわらかくてとても美味しかった。
■JR外房線和田浦駅(無人駅?)の線路脇土手に咲いていた河津桜、線路柵の向うには菜の花が沢山咲いていた。
春らしい景色に思わずシャッターを押した。
昼食は結局野島崎灯台まで戻り、立ち並ぶお店の中から磯料理店に入り、カキフライ定食(私)とアワビカレー(HI)を
頼んだ。注文を聞いてから作り始める店主の腕は確かで、時間はかかったがとても美味しかった。時間を気にせずに、
海を見ながらの食事もいいものだと思った。フェリーの出発地金谷には、フラワーライン(410号線)と館山市街・
内房なぎさライン(127号線)を通過して到着したが、丁度15:05発のフェリーに余裕を持って乗れたのでよかった。
風も穏やかで、東京湾フェリーは約40分で久里浜に着いた。
久里浜からは私の運転で道路を乗り継いで、夕方5時前には小田急線鶴川駅に到着出来た。1日半・走行距離約300
㎞の房総半島ドライブだった。美味しい海の幸を食べ、いち早い春花を楽しめた心地よい旅だった。
■金谷港を離れるフェリーの後部からは、鋸山(のこぎりやま)がすっきりと見えた。江戸の昔から建築資材として
切り出された凝灰岩の採石跡がのこぎり状に見えることから名付けられた。正式名は「乾坤山(けんこんざん)」
だそうな。旅の終わりに見た不思議な風景はとても珍しいものだった。
<この項終わり>
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