2019年9月20日金曜日

姫川支流の源流域を覗いてはみたが...(秋の白馬旅その2)




白馬岳(しろうまだけ)への登山口:猿倉荘(標高1.250m)脇の「北股入(松川支流)」から、大堰堤越しに臨む白馬岳(2,932m)、
この季節でも山岳渓流の水量は豊富で、岳の雄姿を際立たせていた。All Photo by Jovial TAKA



3日目の朝は、早起きして松川(姫川の最大支流)の源流域に出かける予定だったのだが、前日の栂池自然園へのトレッ

キングの疲れもあったようで、少し寝坊してしまった。ゆっくりと朝食をとってから、車を走らせて南股入と北股入

(ともに松川支流)に分かれる「おびなたの湯」の橋を7時半頃渡ったら、駐車場の管理人2人が車の通行を整理して

いて、「上の駐車場2ヶ所はもう満車です。車をここに置いて徒歩で行ってください!」と宣言された。駐車できな

かったらまた戻ってくるから、と言って、釣りに入れるポイントを探しながら猿倉荘駐車場まで行ってみた。下の

駐車場(約30台)も上の駐車場(約100台)もすでに満車!! 東京に戻って後で調べてみたら、シーズンの土日は朝7時30分

には満車となる! と警告情報があった。それ程人気の登山スポットであることをよく把握していなかった。今回は土・

日・月三連休の中日、これでは致し方ないと渓流釣りを諦めて、少しの間停車し駐車場先の堰堤まで歩いて川相を

眺めてみた。



大堰堤下の流水は、巨石の間を流れ落ちる山岳渓流の名にふさわしい澄み切った急流で、白馬大雪渓(ケルン)の
雪解け水を集めた水量も豊富だった。



北股入の滔々と流れる迫力満点の流水にはとても驚かされたが、「暴れ川」と呼ばれるこの急流での釣りはとても

困難を伴うと感じられた。深い谷底に降りたり、巨岩間の急斜面を上り下りするのには、かなり体力を要するし

危険も伴う。おびなた湯から猿倉荘の間で入渓できる地点を確認しながら山を下ろうと思い、駐車場を出ようとし

たら、二組の登山者がすでに登山を終えて車に戻り帰り支度をしていた。少し話してみたら、夜明けとともにトレ

ッキングを開始し、白馬大雪渓を見て帰ってきた、とのこと。登山装備が必要な白馬山頂へのルートを取る登山者

は、1日がかりか山頂の白馬山荘に一泊するコースを取るようだ。

山を車でゆっくり下りながら入渓点を探っていると、タクシーが次から次へと登山者を乗せて上がってくる。駐車

できないのを知っている人にはそういう手があったのかと納得した。しかし、それと思しき地点にはすでに釣り人

の車が何台かあった。1台か2台しか止められないようなスペースがほとんどだったが、車を止めて北股入の川相を

見ることもできた。今回は、休日と時間の関係で釣り竿を出せなかったが、それはまたの機会に譲ることにした。





松川から分れて、白馬の街中を流れ大出橋付近で姫川に合流する木流川(きながしがわ)、流れの横には遊歩道が
整備され、木板に書かれた川柳が流路樹に沢山掲げられていて面白いスポットだ。木板の休憩所には釣り人の
木彫り人形が釣り糸を垂れていた。何故かほっとする風景。


こんな小さな流れでも、溜まりのポイントからは元気なヤマメが挨拶してくれた。側の畑では、農作業のおじさん
が秋野菜を植え付ける準備で土を掘り起こしていた。




今回の渓流釣りに関しては、三連休の真っただ中ということもあり、釣り人が各ポイントに入っていた。常日頃は

、日・月・火や水・木・金など休日の混雑を避けた平日のゆったり旅がほとんどなので、行楽地の人出を意識する

ことはないのだが、天候優先で決めた今度の日取りは人出の多さを痛感することとなった。姫川本流(平川合流点

~松川合流点)も各所に釣り人が入っていたし、大出橋付近には監視員も待機していて入漁料の徴収をぬかりなくや

っていた。そんなに釣り人が来るのかね!? とあきれもしたが、結局本流では竿を出さずじまいだった。


初日に安曇野インターで降りてから、堀金物産センターで食料を仕入れた後、山麓線を木崎湖に向かう途中で二ヶ

所竿を出してみた。前から気になっていた北アルプスの山々を源流とする渓流だ。烏川(常念岳 1,857mなどを源と

し、穂高川に合流する)では、入漁券を買った須砂渡食堂近くで監視員とバッタリ出逢い、推奨された烏川橋の下流

で川に入ってみたが、水こそ澄んで冷たくきれいだったが、石裏の川虫はほとんど生息せず、川石の多くが流砂に

埋まっていた。これでは、ヤマメもイワナも住みつきにくいと感じられた。毛鉤にも生餌(イクラ・ブドウ虫)にも

反応はなく、早々に釣りを切り上げた。

中房川(燕岳 2,763mを源とし、中房温泉を経て乳川・穂高川に合流する)でも状況は同じで、何時も休憩を取ったり

ランチしたりする鼠穴橋下流で竿を出しては見たが、魚信はなく、砂に埋まった川石を眺めるばかりだった。急峻

な山々を流れ下る渓流には、大量の土砂が流れ下り、山裾の里川を渕や大石のないフラットな流れにどんどん変え

ていくのだ。この状況は他の河川でも同様と思われる。現に、4年前に初めて来た時の姫川本流の状況と今回では、

かなり川筋が変わっており、好ポイントは砂と小石で埋まり、水質の劣化(汚れや濁り)も強く感じられるのだ。松川で

川から上がってきた長野ナンバーの釣り人としばらく話してみたが、川の水質悪化と渓流魚(イワナ・ヤマメ・ニジ

マス)の減少を訴えていた。「以前はいい釣りができたのだけれど、今日は一匹も釣れないよ!」とぼやいていた。


結局、姫川支流の木流川と、姫川源流での釣りが今回の竿出しとなったが、小ヤマメ・チビヤマメを10匹以上釣り

上げることとなった。毛鉤を上流から流した時に、ピシャッという音と共に毛鉤を尾で叩かれ、ヤマメ用の生餌に

替えて仕掛けを流してみたら、次から次に針掛かりして来た。それはそれで、とても楽しい釣りタイムだったけれ

ど、松川支流の山岳渓流でイワナと出会いたいと思ってきた目論見は実現できなかったのが残念だった。流れの両

側にある樹木の枝葉や、ポイント周りの腰丈以上あるボサ(雑草や草木)に仕掛けや針を絡ませてしまい、往生するの

もこの時期の釣りだ。しかし、ぜいたくな悩みかも知れないが、次回こそぜひイワナと出会いたいと念じる気持ち

が強い。とは言っても、9月一杯で禁漁となる各地の渓流釣りスケジュールからすれば、今回が今年最後の釣行となっ

てしまった。




源流の小川の様な流れに竿出す釣楽人タカ、沢山のヤマメ(時折アブラハヤ交り)が出迎えてくれた。至福の時。



連休の最終日は早朝に食事を済ませ、8時台には宿を出た。堀金物産センターに寄りお土産を買い、途中双葉SAで小休

止しただけで一路自宅を目指した。大渋滞回避のためだったが、相模湖で30分(15㌔程)のノロノロ運転に遭遇。しか

し、午後1時には狛江に戻ったのだから、運よく帰ってこられたと思う。晴天に恵まれた4日間だった。

来年の渓流釣りは南会津方面を予定している。併せて尾瀬のミズバショウ湿原を歩こうかと考えている。その下見と

紅葉狩りを兼ねて、南会津には10月中頃に出かけてみようと計画しているのだ。朝ウォークとガーデニングで筋力を

鍛えておかねばなるまい。





旅のお土産各種:桃太郎トマト(生産者 山田運江)・サラダミックス(芥子菜・ルッコラ・ロログリーン・ロロロッサ 
平倉悦子)・モロッコインゲン(臼井 好)・夏秋いちご(下條むら子)・塩羊羹ー以上堀金物・セにて。甲州葡萄詰め合わせ
ー双葉SAにて。どの野菜・果物も新鮮で美味しかった。堀金物・セの売値はとても良心的で大歓迎だ。






連れが描いた宿隣りのペンションの佇まい(水彩スケッチ)、この周りには洒落た建物がいくつもあって、散歩する
のも楽しい。



<この項終わり>



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