2020年2月3日月曜日

多摩川は、川筋が全く変わってしまった。(台風19号多摩川氾濫その7)




多摩川中流域の調布排水樋管から五本松公園にかけては、水深1m~2mの広い澱み(プール)があったのだが、昨年
の台風19号の洪水で上流から流されてきた小石と流砂でほぼ埋め尽くされ、川筋は左岸の流水に変わってしまった。
All Photo by  Jovial TAKA



暦の上では早「立春」である。今年は暖冬の影響で雪国では降雪量が少なく、関東地区でも1月下旬から春めいた

雨が降り、花壇では早咲のクロッカスが花開き、水仙やチューリップ・寒アヤメも芽を伸ばし始めている。梅の

開花も始まっている。

昨年の10月19日に、日本各地に甚大な被害を及ぼした台風19号の豪雨で、我が地元の狛江市も多摩川の大出水に

見舞われた。2ヶ所(六郷排水樋管と猪方排水樋管)の水門からの逆流で、胸元までの深さの浸水が住宅街を襲い、

4百数十世帯が被害を受けた。その原因究明と被害対策については別の項で述べるが、現在の多摩川はその時の豪

雨など嘘だったかの様に静かな流れに戻っている。




オイカワやアユの好釣場であったポイントも、まったく姿を変えてしまった。以前の澱みから流れ出していた対岸
(右岸)の流れと彼岸の浅瀬は、流砂と小石で埋め尽くされ、彼岸(左岸)に流れを変えてしまった。もちろん釣りの
好ポイントもすべて埋め尽くされている(ためいき~!)。



好天が続く2月の初めに、電チャリに乗って多摩川の様子を見に行った。大洪水の爪跡はまだ各所に残っていて、

小石と流砂で埋め尽くされた川底、まったく流れを変えてしまった川筋、野球場やサッカー場があった河川敷を

覆った出水の跡もそのまま...それでも好天に繰り出した人たちが元気に跳びまわってはいたが。バス狙いか

鯉狙いか、気の早い釣り人達が投げ込み仕掛けやリールの疑似餌仕掛けで、竿を出しているのを数人見かけたが、

釣果はない模様。川底の様子は知るべくもないが、エサとなる藻や水中昆虫も激減しているだろうと予想される。

水緩む3月には、多摩川はどんな様相になるのか? それでも、新しく出来た澱みから流れ出す浅瀬を見つけるべく、

数キロにわたってポイントを探してみたが、2ヶ所ほど目星を付けてはみた。しかし、ここ数年に渡って楽しませ

てもらった毛鉤の流し釣りを再びできるかどうかは ? だ。東京湾から遡上してくるアユが、再び多摩川に戻って

くるのか? オイカワの産卵と育成を促した岸辺の草たちと溜まりがまた復活できるのか? 単純に考えても、回復に

は時間がかかるだろう。恐らく数年を要するのでは?




上河原堰堤下のプールも流砂と小石で埋まってしまい、左岸に設けられた魚道も入口が小石に埋まったままで、
アユが遡れない状態のままだ。



その状況は、日本各地、とりわけ甲信越の山岳渓流についても同じだろう。甚大な被害をこうむった信州千曲川

と支流群も、北アルプスに源を発する各河川(とりわけ、姫川の状況は気になる)、そして山梨の渓流もその影響は

免れないと思う。3月から渓流釣りは解禁となるが(一部の河川では2月半ば)、今年はどんな釣りができることやら

心を悩ませられるのだ。



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