第5回 Zaz 「Je veux」その1. Jazz Manouche の自在さが魅力
https://youtu.be/qIMGuSZbmFI
Zaz(ザーズ)のデビューアルバム『Zaz』収録11曲の中から、「Je Veux」が大ヒット曲となりフランスとヨーロッパに瞬く間に拡がった。2010 年Zaz・30歳の時だった。上のタイトル全体を指定右クリックするとストリート・バージョンの動画を見られます。
率直なところ、地元の仏語会に加わって”シャンソン”・コーナーを担当するまでは、Zazの事は知らなかった。と言うより、大方の皆さんと同様、「シャンソン」と言えば若い頃に聴いたトラディショナルなもの(例えばマシアスやピアフ、アズナブールやグレコなど)往年の歌手たちを思い出すのがもっぱらだった。
このブログで取り上げてきたのも、1950~1960年代の懐かしのシャンソンが主体だった。それらの曲の歌詞内容を理解し、譜面を見ながら会員の皆さんと一緒にギター伴奏で歌ってみたところ、私の中では「今の(現代の)フランスの歌って、どんな風なんだろうな?」という素朴な疑問が湧いてきた。パリの街中に暮らしているわけでもないので、実情は分かりにくいのだが、もう少し最近のシャンソン(フランスの流行り歌)を知って唄ってみようかと言うのが、今回のテーマです。
Zazの曲を音楽配信サイト(Amazon MusicやDiscog)の分類で見ると、〈ジャンル〉はJazz /Pop /Folk /World & Country とあり、〈スタイル〉は Folk /Gipsy Jaz /Latin Jazz /Chansonと記されている。「はて?なんのこっちゃ?」と言う位フュージョン(融合)しているし、要するに既存のジャンル分けが難しい色々な要素が、彼女の歌には存在している、と取り合えず理解した。
Zazのステージ構成は、基本的にはアコースティックギターが中心で、ジャズ・マヌーシュのシンプルな楽器編成とヴォーカルだ。広い会場ではビックバンドの賑やかな編成もあるが、少人数の方がヴォーカルが生きる。2022年ロンドン公演・Getty Imagesより
「Je Veux」は、2010年”ハスキーボイスの歌い手”を探していたケレディン・ソルターニ(Kerredine Soltani - 作曲家・プロデューサー)のオーディションにJazが応募し、ファーストアルバムのデビューが 決まった中に収められた曲で、作詞・作曲はソルターニ自身(Tryssも曲を共作)だった。ヒットしたこのアルバムに収録された11曲中、Zaz自身が6曲を作詞し4曲を作曲している。レーベルPlay OnからリリースされたこのアルバムでZazは本格的なキャリアをスタートしたが、始めからシンガー・ソングライターだったのだ。
しかも、前掲のMV(ミュージック・ビデオ)で見られるように、ストリートライブでメンバー達とセッション(session)しながら、アドリブ(ad-lib)で自在にメロディラインを作り、スキャット(scat)で ♬Papara~♬ と楽しそうに歌うシーンは、まったくの”Jazz Session” を彷彿とさせる乗りだ。「Gypsy Jazz」 は、現代 「Jazz Manouche」と呼ばれるが(差別用語とされるため)、広義に言えば「European Jazz」または「Jazz Méditerranée」の範疇に入る。
〈 この項続く 〉




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