2008年4月2日水曜日

魔法の木灰

毎年、桜の咲く時期になると
春山菜が出回ってきて食べごろとなる。
初物は値段の高い割りに味がいまひとつ
なのでパスすることにしている。

こちとら、江戸っ子じゃないのでね。

こごみ、わらび、
ぜんまい、たらの芽、
浅葱や筍も
美味しい季節です。

調理と撮影 by TAKA
私の贔屓にしている近くの食品スーパーOZで、こごみとわらびに木灰の小さな袋をつけ店頭に並べていた。これにはちょっと感激、筍もぬかの袋を付けて(もちろん無料!)販売している。こういうこまやかな心遣いは百貨店でもなかなかない。
沸かしたお湯に木灰を入れて、こごみは3~4分、わらびは7~8分茹でてから冷水で洗う。このとき根の部分は先に2分ほど茹でておく。水気を取ってわらびは適当な長さに切りそろえ、シコシコと鰹節を削って(箱型削り器を愛用!)醤油と共にかけて頂く。こごみもやや短めに切りそろえ、胡麻を炒ってすり鉢でゴリゴリしてから出汁と醤油と共に和える。

単純な料理だが、゛春の生命の息吹゛のようなほんのりとした苦味を引き出すことで美味しさが倍増する。木灰は、こごみの緑の鮮やかさとぬめり、そしてわらびの薄紫色とねっとり味を引き出してくれる魔法の灰だ。

美味しい地酒(純米吟醸など)でいただくと、至福のひとときです。
重曹ではこういうわけにいかない。
祖先の知恵に敬意を表したい。

そういえば、冬眠する熊などの動物たちも、春の木の芽や山菜の葉を食べてからだに溜まった毒素と糞を体外に出すという。あの苦味が万物の春を告げている、ということですね。



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