2011年6月3日金曜日

ブロードウェイ・ミュージカル、『スウィニー・トッド』を見て

公演パンフレットをそのまま掲載

ほんとに久し振りにミュージカルを見た。青山劇場で公演中の『スウィニー・トッド』、いやぁ~、面白かったですね。あいだの20分休憩を挟んで3時間、あっという間だった。途中、お腹が減ったり、お尻が痛くなったけれどもね。
私は若かりし頃(20~30代)、ニューヨークに3回滞在したことがあって(もちろん仕事がらみだったけれども)、夜は毎晩、ビレッジ・ゲートのライブハウスでJAZZを聴くか、ブロードウェイでミュージカルを見るかがとても楽しみだった。あの頃見た作品、『コーラス・ライン』や『The Wiz』、『La Cage Aux Folles』や『オペラ座の怪人』などを今も懐かしく思い出す。でも、『スウィニー・トッド』は見てなかった。なんか、のどをカミソリで切り裂く床屋の復讐劇、というのを敬遠したのかもしれない。
今回、゛かようかい゛の音友STさんが、タービン判事の片腕小役人・ビードル役で出演しているので、盟友ウッチーと奥さんと私の3人で見に出かけた。生オケの演奏に合わせて歌い演技するミュージカルのチケット代は、ご承知のように高額だ(NYでは、50~60ドルくらいだったように記憶しているが)。私の席は、2階の一番上で8,000円(S席は12,600円)、大枚をはたいた気分だったが、中劇場くらいの青山劇場ではオペラグラスも不用で、音楽も歌も充分楽しめた。
公演中にも゛かようかい゛に顔を見せて、歌とトラッンペット吹きを楽しんでいたSTさんの話しでは、宮本亜門の演出がなかなか良くて、各キャストが無線の超小型マイク(TV出演のアナウンサーやゲストが使っているタイプ)を使い、歌と台詞とオーケストラの音量と音質をPAバランスで客席に流しているとのこと。確かに、オペラのような朗々とした生声に較べて、ナチュラルな声と音で聴きやすかった。
パイ屋の女主人役・大竹しのぶが秀逸、゛天才゛といわれるのも頷ける。台詞から歌に入っていく流れが全くスムース(この事はSTさんもべた誉めだったが)、声がクリアで一声一声がとても良く聞えるので、話の展開がよくわかり時折はさむユーモアで客席を沸かせる。
主役の理髪師スウィニー・トッド役の市村正親は、さすがにミュージカルの第一線で活躍してきただけあって、歌も演技も見ごたえがあった。
ちょっと残念だったのは、トッドの娘ジョアンナ役のソニン、歌がよく聞えなくて精彩を欠いた。逆に上手すぎて、返ってマイクからはみ出てしまった感があったのは、女乞食役のキムラ緑子。
我らがSTさんも良かった。ずんぐり体型とひょうきんな個性が光っていたし、歌と台詞もマイクの特性を生かしていたので、とても良く聞えた。彼の話では、大声でシャウトしなくてもいいし、自然に発声できるのでやりやすい、といっていたが。
トッドの復讐劇は、自分を無実の罪に陥れた悪徳判事タービン(安崎求)を始め、小役人ビートル、いんちき理髪師ピレッリ、女乞食と、次々にカミソリでのどを掻っ切って殺してしまうのだが、不吉な予言を繰り返した女乞食が、実は自殺したと伝えられていた自分の妻だとわかり、絶望して自らの命を絶つところで終わる。この結末に対しては、やはり酷すぎるという劇評もあるが、殺人劇の合間にユーモアたっぷりのシーンがいくつか挟まれていて、ストーリーの巧みさと、宮本亜門演出の良さが出ていた。大竹しのぶ(パイ屋女主人)とトッド(市村正親)とが、焼きあがった色々なパイを食味しながら掛け合うシーンはとても楽しく、客席を大いに沸かせてくれた。
東京・青山劇場公演の後地方公演に出て、最後は横浜に戻ってくる予定とのこと。興味ある方は、以下HPをご覧のうえ、お出かけになってみてはいかがですか。

2 件のコメント:

  1. TAKAさぁ~ん、ご無沙汰してます!

    私も妹と一緒に「スウィニー・トッド」、青山劇場で観てきましたよ。

    さ~すが、『ウエストサイドストーリー』のスティーブン・ソンドハイムの作品だけあって、飽きさせませんでしたね。

    宮本亜門の演出も良かったですね。どこか歌舞伎に通じるとこもあってなかなかのものでした。
    最後の場面は悲鳴あげちゃいましたよ。^^;

    お仲間の方が出ていらっしゃったのですね。
    覚えてますよ、どの方か・・・(^-^)

    私はあまりミュージカルは見ていないのですが、今月末から半月ほどニューヨークに行くので、ミュージカルも見るチャンスがあると思います。是非、オススメってありますか?
    日本で買って行ったほうがいいかな?と思っていますが・・・

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  2. ベラさん、こんにちわぁ~!

    あらまぁ、ベラさんも「スゥィニー・トッド」を見ましたか、なかなか面白かったですねぇ~!
    昨夜のTV東京の「ソロモン流」で市村正親の特集をやっていて、トッドのリハ風景や上演シーンも幾つか紹介されていて楽しかったですよ。

    いいですね!NYに滞在できるなんてうらやましい限りです。最近はほとんどミュージカルを見ていないので、
    broadway.com
    のHPを覗いてみると、ロングランの「メアリー・ポプキンズ」や「オペラ座の怪人」、ショー物の「シカゴ」、音楽物の「RAIN」(ビートルズ)や「ROCK OF AGES」、魔女物の「WICKED」など目白押しですね。

    これだけは見たい、というものはこちらでチケット入手し、後は現地のホテル・インフォメーションや劇場予約で無理なく入手できますので(平日は有利)、現地の評判などを聞いてみてでもよろしいのでは。

    では、おおいに楽しんできてください。

    PS:未央柳の接写、なかなか良かったですよ!
     

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