2013年3月21日木曜日

2013年フィギュアスケート世界選手権から、その②男子シングル


男子シングルの表彰台は、左からデニス・テン(銀)-パトリック・チャン(金)ーハビエル・フェルナンデス(銅)の3選手 All Photo by Zimbio

男子シングルのTV中継(録画)の中で、パトリック・チャン(Ca)以前のチャンピオン:ライザチェック(米)・プルシェンコ(露)・B シュベールの近況紹介があった。今回の優勝で、3年連続のチャンピオンに輝いたP.チャンの前の優勝者達だ。それによると、ライザチェックもプルシェンコも、怪我や体調不良で今季の各地大会に出場できずにいる。B.シュベールだけがフランス代表枠獲得のために踏ん張っているのが現状だ。選手を続けるのは想像以上に激しいスポーツであり、また高位の滑走技術レベルを維持することがなかなか困難なのだ。過去のチャンピオン達は、プロ転向するか、指導者(コーチや振付師)として後進を育てるかが、選手生活後の選択となる。オリンピック金メダリストの荒川静香のように、プロとしてフィギュア・スケートのショー出演しながら、スポーツ・コメンテーターとして活躍するような選択もあるわけだ。
パトリック・チャン(Ca)の滑走技術のレベルの高さについては、誰も否を言わないだろう。ジャンプ・ステップ・スピン、総てのレベルが超一級であり、その演技をつなぐ゛間゛も滑らかで淀みがない。ショートのテーマ曲は、ラフマニノフのピアノ曲「エレジー」、フリーはプッチーニの「ラ・ポエム」、エキジビションでは、帽子を小道具に使った「I Need Dollar」、クラシックから映画音楽まで、色々な引き出しを持っていて、お客を楽しませてくれる。 
そのチャンがフリーでは珍しく3回転ジャンプの着地を2度ミスった。後から滑ったデニス・テンにフリーの得点は抜かれ、もしやすると今回は優勝を逃すかと思われたが、ショート一位の成績の溜めがあり、何とか金メダルを維持したが









 今回、チャンの存在を脅かしたデニス・テン(カザフスタン)は、前哨戦のグランプリシリーズで表彰台に上ったことはなく、ノーマークの選手だった。私も彼のことはよく知らなかった。それが、ショートもフリーもほぼノーミス、4回転ジャンプを次々と決め、ステップも超軽やか。小柄な体躯ながら、きびきびとして素晴らしい演技を披露した。大躍進と言っていいだろう。ショートもフリーも同じ映画音楽の「アーティスト」がテーマ曲、こういう選曲も珍しい。今回の銀メダルがフロッグなのか、それとも、高い技術レベルをキープして今後の競技会の表彰台に絡んでくるのか? これはなかなか興味が尽きない。


 ショートでは今ひとつ振るわなかったハビエル・フェルナンデス(スペイン)は、フリーで4回転ジャンプを決めて、一気に波に乗った。テーマ曲の「チャップリン・メドレー」の選択も良かった。長身の身体を生かして、快活でコミカルなステップも曲想を良く表現していた。フィギュア・スケートでは、スペイン初のメダリストとなったというが、これもコーチのブライアン・オーサーの指導のおかげか。
フランス勢(B.シュベールやF.アモディオ)やヨーロッパ勢が振るわない中、一人気を吐いた感がする。











さて、日本勢の羽生結弦(4位)と高橋大輔(6位)だが、ソチ・オリンピックへの出場枠を確保はしたものの、表彰台には上れなかった。羽生は膝の故障、高橋は不調のため、ジャンプのミスが多く、全体に精彩を欠いた。2人とも技術面では高いレベルを持っているので、演技全体をミスなくまとめる力がさらに要求されるだろう。演技構成面(芸術性)では、素晴らしいステップやスピンで、テーマ曲の世界観をおおいに表現できるのだから、今後の精進を期待したい。
























惜しくも表彰台を逃したが、ケビン・レイノルズ(Ca・6位)のショート演技はよかった。Jazzyなテーマ曲「Chambermaid~」にのった滑りは、4回転と3回転のコンビネーション・ジャンプを決めて迫力があった。長身の身体も見映えが良く、これからも楽しみな選手だと思う。

過去の世界選手権では、ウルリッヒ・サルコウ(Swe:サルコウ・ジャンプの生みの親)の10連覇という偉大な記録があるが、はたして3連覇のP.チャンはどこまで記録を伸ばすことが出来るか?
また、日本勢の巻き返しはなるのか? 進境著しい他国若手の台頭は続くのか?
これからもフィギュア・スケートから目が離せないでいる。

この項終わり

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