2018年3月3日土曜日

早春の西伊豆 地魚料理三昧・温泉三昧の旅(その2)




「源泉100%かけ流し」を謳った豊崎ホテルの露天風呂、松崎港の湾内と山々の裾から流れ込む岩科川を
眺めながらの朝風呂の一時、木の浴槽をあふれ出す温泉水の音を聞きながら、あぁ極楽極楽...
画像は当宿HPより。



当宿の温泉には、到着日の夕方と夜・翌朝の3回ゆっくりと浸かった。温泉好きの私は今までの経験から、体温を上げ

ず、また湯あたりしない入浴法を身に付けていて、一度の入浴時間は概ね1時間位だ。よくそんなに入っていられるねぇ! 

と感心されることも多いが、新潟の大湯温泉に出かけた時は、雪を見ながら(実際雪も露天風呂に降り注いでいたが、)

ほぼ一日中入っていたこともあるのだ。その段取りはと言えば、まず全身浴それから半身浴、その後足湯そして浴槽

外へと。これを3回ほど繰り返し、最後に身体を洗って冷たい水を被って上がるという具合。肩まで浸かる全身浴を

長時間続けることはない。体温が上がり過ぎないように、適度にクールダウンをしながら程よく汗をかくような入浴

法なのだ。これだと、結構露天風呂や内湯で時間つぶしができる。温かい湯が身体に染み入ってくるのはまことに気

持ちが良いものだ。



宿玄関脇には、つるし雛や布製人形・布梅花などが飾られていた。西伊豆各地にはこんな風習が残っていて
微笑ましい。以下、All Photo by Jovial TAKA



当宿の温泉が良かったのは、「100%かけ流し」を謳うだけあって、松崎温泉の源泉(62℃)をそのまま使って(加温・

加水・循環ろ過しないで)、屋上タンクで冷却してから浴槽に入れているため、絶えず浴槽から湯が溢れているのだ。

清潔で透明度の高い天然温泉ははとても気持ち良かった。「カルシウム・ナトリウム硫酸塩温泉」(低張性・アルカ

リ性・高温泉・PH8.5)と温泉成分の案内がされているが、滑らかで癖の少ない良質泉と感じた。ゆったりと温泉に

浸かったことで、日頃の疲れも取れて身体がとても軽くなった(な~に、大したこともしてないのに?!)。




宿1階にある「魚剥製ギャラリー」、駿河湾に生息する魚150種が展示されている。クエ・キントキダイ・チョウ
センバカマなど、見たこともない珍しい魚種もあった。よく集めたものだと感心!






なまこ壁通りにある「近藤平三郎生家」の外観、格子柄に漆喰を練り込んだ見事ななまこ壁が今も丁寧に保存されて
いる(江戸末期に建築されたもの)。近藤氏は我が国薬学会最高の権威で、帝国大学にてアルカロイドの研究に大きな
足跡を残した、との案内板が設置されていた。平日ながら見物に訪れる人も多い。



さて、1日目の午後、古い町並みが残されている松崎町の文化遺産をいくつか見て廻ったが、近藤平三郎生家・伊豆

文邸(無料休憩所)・明治商家中瀬邸など、いずれもなまこ壁をあしらった外観造りで、明治時代の初めにタイムスリップ

したような感じがした。町全体でこの様な建築物を保存し後世に伝えようとしているのが感じられた。周辺民家の中

にも、なまこ壁の外装や土塀をあしらっているお宅も散見され、松崎町観光協会の建物外観もなまこ壁だったのには

ちょっとびっくりした。ついでに、近くにある「伊豆長八美術館」(漆喰鏝絵:しっくいこてえの名人だった左官入江長八

の作品を集めた美術館1984年オープン)にちょっと寄ってみた。左官職人が使う様々な鏝や色絵の具・長八制作の風景画

・人物画が沢山集められていて興味深かった。




伊豆文邸(旧呉服商の邸宅)、内部が無料公開されている。Photo by HI



座敷には、周辺家屋に残るひな壇が幾つも展示されていた。これは珍しい「屋敷ひな」、お雛様が鎮座する家屋が
豪華に作られている逸品、色彩も鮮やかだった。ボランティアのおばあちゃんが丁寧に説明してくれた。




港通りにある古民家を改装したギャラリー、店内はストールや布手織り製品が展示され、カフェとしてコーヒー
なども飲める。


2階に展示されていた手織りストールと小物、色が鮮やかできれいだった



西伊豆の街々は、小さな港を連ねる開けた景観と、ご当地ならではの美味しい地魚料理が楽しめるスポットが多く

あるのが魅力だ。今回は、新鮮な魚を沢山食べれたし(食べ過ぎてしまったのは残念!)、とても食味が良かったので

充分満足できた。目当てのひきづり寿司は、次回のお楽しみとすることにした。また、楽しみにしていた温泉も

期待以上の泉質だったし、宿のサービスも行き届いていたので快適だった。

西伊豆へのドライブ旅行の締めくくりは、以前から気になっていた富士山伏流水が湧き出ている「柿田川湧水群」を

訪れることだった。朝、はやまのさつま揚げを土産に入手してから、来た道を一路三島まで戻り、途中から国道1号

に入った。NAVIの案内がちょっと解りづらく(時々トンチンカンな案内をする!!)、目的地近くの図書館に車を入れて

徒歩で行ってみたら、すぐ隣の一角だった。柿田川公園として整備された柿田川湧水群は、園内に幾つかの湧水

スポットがあり、そのひとつの「第2展望台」から見た大きな円形の「わき間」からは、水底の砂を巻き上げて滔々と

湧き出る伏流水が見られた。とても神秘的な色だったが、溢れ出た湧水がすく脇の柿田川にどんどんと流れ込む様は

なかなか迫力があった。こんな湧水もはとても珍しいのではないか?




第2展望台下のわき間からあふれ出す湧水、とても神秘的な色だった。このわき間は、旧紡績工場が使用して
いたものだとのこと。




帰路の国道1号は空いていて快適だった。箱根越えして箱根新道→小田原厚木道路、途中大磯SAで休憩・軽い昼食

後、東名道路を町田インターまで、鶴川へは午後早目に到着した。行きも帰りもおよそ3時間前後で行ける西伊豆は、

近場のドライブコースとしてなかなか良いスポットであることを痛感した。宿代(2食付き)と交通費(高速・ガソリン

代)で、一人1万5千円位で行けるのだから、コストパーフォマンスも良い。頃合いの宿を手配してくれた連れには感

謝のひと言につきる。春の陽気に恵まれた小旅行だった。


<この項終わり>


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