2019年10月19日土曜日

調布・狛江の水路逆流と二子玉川の無堤防越水(台風19号多摩川氾濫その3.宿河原堰堤)




台風19号一過の宿河原堰堤、水量は大分減ったが茶色の濁水が勢いよく流れていた。緒方4丁目(10/15)  
All Photo by Jovial TAKA



今回、調布多摩川の多摩川原橋から世田谷野毛の多摩川橋約12㎞の間を電チャリでゆっくり走ってみて感じたのは、

堤防(左岸)の幅も高さも場所によって随分と違っていることだった。堤防自体が遊歩道(サイクリング道路を兼ねる)

の脇に同じ高さで広い空き地を備えている所もあれば、未舗装数mの狭い堤防もあった。また、堤防の近くを走る

車道:多摩堤通りも、堤防の脇にあったり、かなり離れた住宅街を通っていたり、場所によっては堤防の上を走って

いた。これには随分と違和感を感じた。堤防の上に川側法面との境を識別防御するためのコンクリート壁が設けら

れている個所も数か所あった。近年、幸いなことに多摩川は大雨増水による堤防決壊は起きていないが、堤防の高

いところと低いところの差は1m以上となるから、堤防からの越水危険個所は何か所もあるのだ。また、堤防内の多摩

川水面の高さや河川敷(運動場やサッカー場なども多く設置されているが)の高さにも、場所によってかなり差がある。

川幅が狭くて流れが早い所と広くプールのようになってゆるやかな所が、交互に続いていたりする。治水の面から

言うと、なかなか一筋縄ではいかないなと思える。当然、堤防の弱い場所と強い場所も出てくるのだ。




1974年の多摩川水害(堤防が欠損し19戸の人家が流失した)の後、旧堰堤(二ヶ領宿河原堰)の近くに建てられた
「多摩川決壊の碑」。現在の宿河原堰堤は、旧堰堤の下流50mに新しく作られたものだ。狛江市HPより。



当時の多摩川決壊を上空から撮影した画像(消防庁HP)、濁流により本堤防の一部が欠損し、人家が流失したが、
堤防決壊による市街地への濁流氾濫だけは免れた。この大水害は住民の記憶に長らく残り、TVドラマ「岸辺の
アルバム」で知る人も多い。



上記画像の右端に写っているのは、当時の和泉自動車教習所だ。この時も、河川敷に設置された自動車教習コース

と車両は、崩壊・流失の危機を免れた。 19号台風による暴風雨が吹き荒れた3日後の朝、運転教習の準備をしてい

る教官殿に話を聞いてみたら、「増水対策に当時より2m程地面を高くしたから、今回は大丈夫だった。運転コース

のすぐ下1メートルまで水が来たけれどね!」とほっとした表情だった。




現在の和泉自動車教習所、運転コースも車両も19号台風の大雨と多摩川増水にもセーフだった。猪方4丁目(10/15)



自動車教習所の下流約100mの堤防下の惨状は目を疑うものだった。濁流の爪跡が河川敷一杯に拡がっていた。自動車
教習所の幸運との差は何だったのか?  河川敷とは言え、地面底上げ対策をしていた所が助かったのは明白だ。
駒井3丁目(10/15)


<この項つづく>


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