2008年5月4日日曜日

チリメン山椒

毎年初夏のこの時期になると、市場に実山椒が出廻って来る。ほんの2~3週間のことなのだが、これを手に入れて実に付いたヘタを取り、竹ざるに一週間ほど天日で干す。

茶色に乾いた山椒の実を一年間煮物などの料理に使う。安い中国製の物も中華料理の食材として売られてはいるが、香ばしさと安全性を考えると買うわけにはいかない。

白きくらげのチリメン山椒 調理と撮影 by TAKA


常備采として作るのは、チリメン雑魚と白きくらげに実山椒の組み合わせが多い。白きくらげを水で戻してからチップ状に刻み、鍋で水分を飛ばし、雑魚と実山椒を加える。お酒、みりん、醤油(8:1:1の割合)を入れ、落し蓋で出し汁が少し残る程度まで煮る(15~20分位)。これで佃煮の出来上がり、砂糖や醤油を大量に使わないので、上品な旨みが楽しめる。


温かいご飯の上に乗せたり、お豆腐の上に乗せたり、おにぎりの中身、チーズと合わせてサンドイッチにしたり、お酒のつまみ、薄切り大根にはさんでみたり...八面六臂の大活躍!?。
料理の常則で、゛海の幸と山の幸゛の組み合わせは美味しい。バリエーションで、干しにんにくやオクラと組み合わせるのも楽しい。

鰤大根の煮付け、鶏スペアリブのビール煮、イワシの梅煮、ナスの丸煮、巾着ナスと隠元の漬物、
白瓜のカミナリ干し、また、実を擂って鍋物の隠し味にする等々...実山椒の香ばしさと味の深みは、唐辛子や胡椒とも違う香辛料として、日本人であることの悦びを教えてくれる。


京都や善光寺など、古都の佃煮やさんにはチリメン山椒を売っている店も多いのだが、大変高価である。デパ地下の総菜屋さんの場合も例外ではない。カルシウムやミネラルが豊富、栄養バランスもよく健康にもいい食材が、自分のひと工夫で日々の食卓に並ぶのは嬉しいことだと思う。あまりに便利になってしまい、何でも買える゛飽食゛のご時勢だが、見直すべき食の課題はまだまだたくさんあるように思う。
                   にんにくチリメンとおくらチリメン                          実山椒のざる干し                       

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