2008年5月23日金曜日

BOSSA NOVA 探索


ボサノヴァ曲の習得(歌とギター)も、最近はずいぶんと環境が変わってきた、と感じている。ひと言で言うと、とても便利になった。
私が10年前にギターの弾き語りを始めた頃は、曲を覚えるのに、楽譜・コード・歌詞が載っている曲集を手に入れるか、レンタルか購入かでCDを手に入れて、耳から聴き歌詞表とともに覚えるかどっちかだった。もちろん、バンドスコアーもあったが、高価なのでめったに手は出せない。
だから、1曲をものにするのに時間が掛かった。何度も何度もCDを聴いては一生懸命覚えてようやっと物にしたものだった。
Samba em Preludio の入ったヴィニシウスのレコジャケ



インターネットの普及と日常の利用は、これをずいぶん容易にしたくれた。ブラジルのラジオ局にアクセスすれば、ボサノヴァ・サンバ・ショーロ・MPBなどの主要曲はほとんど無料で聴ける。それも、同一曲を色々なアーチスト版で比較して聴けるので、そのアーチストの個性も把握しやすいA)。オリジナルの歌詞とコード進行は、これも無料でアーチスト毎・楽曲毎に検索できるので、原曲を元にどんな味付けでコードを作るかのアレンジも試みることができるB)。そして、YOU-TUBEに至っては、お宝映像も沢山あって、ライブ演奏を動画でみながら、歌い方、弾き方の細部まで確認できるし、何と行っても表情や仕草まで見られるので、臨場感は鮮烈だ。これだって無料なのだから、環境としてはめちゃ・らくちん、に相違ない。

それでは、スイスイと曲をものに出来るか、というとそういうものではないことを、紳士淑女諸氏はお解かりのことと思う。やはり、何度か歌い込み弾き込んで、時間をかけて自分の体内フィルターを一度しっかりと通さないと自分のものにはならないですよね。これは、何時の時代も同じこと。

゛ボサノヴァの広い森゛に入り込んでから、この所私が感じているのは三つの事だ、テーマと言ってもいい。たぶんに個人的な主観としてお聞きいただきたいが、ひとつは、イタリアのバロック音楽(ヴィヴァルディ・コレッリ・アルビノーニ) ⇒ バッハ ⇒ エイトル・ヴィラ・ロボス ⇒ トム・ジョビン という流れ。変奏や対位法をベースにした美しいメロディラインと、作詞家の詩的・文学的な言葉がコンビして、都会的に洗練された曲たち、言わば゛きれい目ボッサ゛。テンポもゆっくりAdagio、マイナー系が多い。この流れには、ヴィラ・ロボスの「Bachianas Brasileiras(ブラジル風バッハ)」やパウリーニョ・ノゲイラの「Bachianhia 1」、ヴィニシウスとバーデン・パウエルの「Samba em Preludio」なども入る。

もうひとつは、Bahia:バイーアの血の流れ。アフロ・ブラジリアンの故郷バイーアから脈々と受け継がれているサンバとサンビーニャの歌とリズム。ジョアン・ジルベルトを筆頭に、カエターノ・ベロッソ、ジルベルト・ジル、大御所ドリバル・カイミ、アリ・バホーソ、女性ではクァルテート・エムシー、ガル・コスタ、アストラット・ジルベルトもそう、皆バイーア出身。曲のメロディは自由奔放、言葉は日常会話的、土着的で民衆の臭いがプンプン、言わば゛にぎやかなボッサ゛。テンポは早めのAllegro、メジャー系が多いか。ヴィニシウスも晩年はトッキーニョやバーデン・パウエルを率いて、アフロ・サンバ風の曲を何曲か歌っているが。

批判を恐れずややパターン的に分けたが、この流れも入り混じっている場合も多いし、タイプとして言えば、ジャズ・ボッサ、ボッサ・フュージョンとか、中産階級ボッサ(山手ボッサ)、貧乏人ボッサ(下町ボッサ)とか、海系、ナチュラル系、ロマンチック系とか、フレンチ・ボッサ、ボッサ・チルドレンetc...それぞれボサノヴァの一面を捉えたに過ぎない。それだけ多面的で魅力に満ちた世界であることは確かだ。
最後のひとつは、゛オリジナル性゛と゛DNA゛だ。憧れは別として、日本人の私はどんなに努力し研鑽に研鑽を重ねても、ヴィニシウスにはなれないし、トム・ジョビンにはなれないだろう、もちろんジョアン・ジルベルトにも。だからと言って、歌もギターもより高みに向かって磨きをかけるのを放棄するのか、と言うとそういうことではない。
今、ボサノヴァを弾き語り、また仲間とバンドを組んで曲を楽しむことの意味合いをよくわきまえていたいのだ。
何よりも、自ら音楽を楽しみたいし、仲間とそして聴いてくれる人達とそれを共有したい、とのスタンスがまずある。そして、先人たちが残してくれたボサノヴァの素晴らしい曲を、自分の表現として弾き、歌い、語りたいと思う。゛TAKAが歌うボサノヴァ゛として。一歩進んで言えば、自分の言葉とメロディ、コード進行とアレンジで、゛TAKAのボサノヴァ゛を歌いたいですね!

まだまだ、゛ボサノヴァの広い森゛に入ったばかり、一つ一つじっくり味わいながらやっていけばよいと思う。そのうち、自分なりの森の地図も出来るだろうし、BOSSA BALADAのオリジナル曲も増えていくだろう。皆さんの前で歌うこともあるだろうし、ライフ・ワークのつもりで楽しんでいこうと思っている。

(A)上部の白枠に曲タイトルをポルトガル語で入力し、右のBUSCARをクリック検索する。
http://b.radio.musica.uol.com.br/radio/index.php?param1=homebusca&check=musica&busca=garota%20de%20ipanema&de=16&ate=30
B試しに検索してみてはいかが?
http://bossanovaguitar.com/bossa_nova_words_music.html

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