2014年12月18日木曜日

フィギュア・スケート ISUグランプリ・ファイナルを見て(女子シングル)



ただ一人、200点台の高得点を叩き出したエリザベータ・トゥクタミシェワ(RUS)、アラビアン風の
衣装とメークアップが演技と良くマッチしていた。All Photo by Zimbio


グランプリ・ファイナル戦女子シングルは、トゥクタミシェワの圧倒的な勝利に終わった。シングル・フリーともに

トップ、すべてのジャンプをノーミスで成功させ、203.58をマークして他の選手を寄せ付けなかった。彼女は

2010年のロシア・ジュニア・チャンピオン、2012年のロシア選手権優勝の後、昨シーズンは鳴りを潜めて

いたが(足の故障のため)、今年後半になって快進撃が続き始め、ワルシャワ・カップ優勝、GPSカナダ杯

2位、中国杯優勝の勢いに乗ってこのファイナル戦に臨んでいる。18歳・157㎝の小柄な身体ながら、全身が

バネの様な演技には切れがある。ジャンプの安定性、スピンやステップの完成度の高さ、加えて各演技を

つなぐ゛間゛の取り方が滑らかで美しい。一番観客を惹きつけるのは、そのミステリアスな風貌としなやかな

身体と指先の動きだろう。今回のフリー演技は、アラビアン風のテーマ曲『Batwannis Beek』に乗って滑った

が、紫色に金縁取りをあしらったのシースルーの衣装で舞う姿は、妖艶な雰囲気すら漂わせていて、素晴ら

しい表現力だった。




(上)銀メダルのエレーナ・ラジオノワ(RUS)、いつもの笑顔でファンを魅了してくれた。
(下)ロシア勢若手の4人を向こうに回して、銅メダルに食い込んだアシュリー・ワグナー
(USA)、ベテランの気迫を見せて、味のある演技を披露してくれた。


今回、ラジオノワもワグナーも、すべてのジャンプをノーミスでこなし、コンビネーション・ジャンプもきれいに

決めている。ステップもスピンも正確な演技で、技術的には大きな差はなかった。このレベルまで来ると、

各技の難易度・入る時と終わる時の姿勢の美しさ・スピード感・演技をつなぐ間の取り方・テーマ曲に対する

表現力・メイクや衣装の雰囲気...など、演技構成点(芸術性)の評価が大きくものを言う。この点では、

トゥクタミシェワが一枚上だった。ただ、今回ジャンプに精彩を欠いて5位にとどまったユリア・リプニツカヤ

(RUS)にも、ラジオノワにも、またソチオリンピック・金メダリストのアデリーナ・ソトニコワ(脚故障のため今

シーズンのGPS欠場)にも、自己ベスト点でトータル200点を超える記録を持っているので、今後ますます

ロシア若手女子選手から目が離せないし、何時・誰が表彰台に乗っても何ら不思議はない選手層の厚さを

感じるのだ。来春の世界選手権(中国・上海で開催)には、ファイナル戦の選手たちもほとんど出場してくる

だろうから、誰が栄冠を勝ち得るのか、また楽しみが一つ増えた。




(上)表彰台の3人 (下)日本勢でただ一人参加出来た本郷理香、正確な技術と
長身の身体全体で表現するのびやかな演技は、今後の活躍を期待できる。

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