2012年6月23日土曜日

6月のボサノヴァ・ナイトから



 ハウス・トリオとタッキーの伴奏で唄うRAさん、バンド初体験は楽しそうでした。Photo by TAKA

昨夜のミュージック・スペース グレコでのボサノヴァ・ナイトは、来客の方たちの歌が次々に飛び出し、ボサノヴァだけでなくジャズのスタンダード・ナンバーも加わって、「ボサノヴァ アンド ジャズ・ナイト」の雰囲気に染まった。大木さんのお友達Mさんは、ちょうどこの日が誕生日で、来客の皆さんに振舞われたシャンペンで乾杯し、皆で「ハッピー・バースデイ」を歌って彼の誕生日を祝った。「こんな誕生日も初めて!」と、顔をほころばせるMさんだった。
ハウス・トリオのサンシャイン大木(Pf)、QP村山(Dr)、Koba(Ba)が全員揃うまでの間、大木さんのピアノ伴奏で、私がボサノヴァ・スタンダード2曲(「Samba de Uma Nota So」と「O Pato」)を披露し、タッキーのシャズ・ボサノヴァ曲(「Meditação」と「Watch What Happen」)、KSさんのボサノヴァ「Odara」(タッキーの伴奏)と続いた。

誕生祝のシャンペンで乾杯するMさん(左から2番目
さて、ハウス・トリオが揃ってからの2ndステージは、まずトリオのジャズ演奏で始まった。大木さんのピアノは、今夜もアドリブ演奏の乗りが良く、QP村山とKobaとの息もよく合っていて安心して聞ける。
タッキーの今夜の趣向は、フランク・シナトラとトム・ジョビンのアルバム・ナンバーから、「Insensatez(How Insensitive)」と「O Amor em Paz(Once I Loved)」を、ポル語と英語で歌おうというもの。そこで、しまシャツにベスト姿の私が゛にわかシマトラ゛に変身し、タッキーが゛タケ・ジョビン゛となり、バンド伴奏でタッキーの弾き語り(ポル語)と私の歌(英語)で曲表現にトライすることとなった。これは、とても楽しく愉快だった。トリオの音の膨らみとピアノ・アドリブの自在さをバックに歌うのはかなり気持ちがいいのだ。タッキーも、゛してやったり゛で楽しそうだった。


゛シマトラ゛と゛タケ・ジョビン゛のコンビで歌った2曲、バックのトリオも雰囲気を盛り上げてくれた。
Photo by KS
続いては、バンドをバックに歌うのは初めてで、少し緊張気味のRAさんの登場だ。割とポピュラーな曲がいいかも、ということで、「Corcovado」と「Moon River」をタッキーのGt伴奏とトリオをバックに彼女は歌った。これは、なかなか豪華な共演だった。
どの曲も、今夜初めてのコラボなので、譜面もその場で初めてメンバーに渡される。構成としては、主役にまず歌ってもらい、次はピアノ・ソロのアドリブ、もう一度歌に戻って最後のエンディング、という3廻しが基本だが、リズムもメロディも手探りから始まる。スタートの歌い手のリズムとメロディラインが3~4小節入ってから、DrやBaが合わせ始める。そして次第にリズムが整い、Pfのカウンターメロディが小気味良く入ってくるのだ。この、音の会話の瞬間がたまらなくいい。
「Moon River」では、彼女が用意した譜面は3/4拍子のものだったが、Gt伴奏したタッキーのリズムは4/4のボサノヴァだった。曲が始まって皆が一瞬戸惑ったが、すぐに4/4のボサノヴァにトリオが合わせ、曲が進み段々盛り上がっていった。こうしたハプニングはしばしば起こる。リハも前打ち合わせも何もない状態でいきなり曲に入るのだから何が起こっても可笑しくない。でも、そこで状況を把握して、メイン・ゲストが気持ちよく歌い終われるように演奏するのがプレイヤーの腕なのだ。彼女にとっても貴重な体験だったと思う。
その後は、私とハウス・トリオとの共演で、ボサノヴァ英語曲の「Antonio's Song」、「The Shadow of Your Smile」を披露した。「Antonio~」は、Koba(ba)の希望曲で、彼の歌に私がハモるという構成、ベースの弾き語りでやってもらったので、゛うたべー゛(歌うベース弾き)の誕生となった。















歌好きのお客さんが、次々とマイクを握って熱唱されたが、トオルさん(写真上)の「嘘は罪」、Kさんの「Unchained Melody(?)」、Tさんの「Too Young」など、大木さんの伴奏で皆さんはとても楽しそうに歌った。ピアノの生伴奏で歌える機会もなかなか珍しいと思う。
後で、Kさんと話してみたら、彼が私の大学(四谷)の後輩と判明、知り合いの学友の名が出たりしてびっくりするやら懐かしいやら、゛奇遇ですね~゛をお互いに言い合った。
トリをつとめたのはケイコ(写真右)さん、大木さんのお友達でご近所にお住まい。クラシックの歌手をされているのだが、このライブハウスが出来てからの常連さんで、゛ここでお友達を100人つくるのだ゛と意気込んでおられる、とのこと。この夜もイタリー語で「ボラーレ」他、ジャズのスタンダード曲をを熱唱し、迫力満点ののどを披露された。
2度めのボサノヴァ・ナイトを無事終えて思うのは、ボサノヴァやジャズの歌と演奏を聴くのも楽しいのだが、自分もバンドの演奏で歌ってみたい、という方が沢山いらっしゃることだ。このハウス・トリオの力だと、たいていの曲はこなしてしまうし、お客さんに気持ちよく歌い演奏していただくバックアップも充分にできる。ジャンルもボサノヴァに拘らずに、ジャズやワールド・ポップス、J-ポップスなど、色々な曲を一緒に楽しめると思う。会のタイトルも、当面「ボサノヴァ・ジャズナイト」と変えて、色々な曲表現に取り組んでみようと思っている。
ご来場の沢山の皆様、ありがとうございました。次回は7月27日(第4金曜日)です。皆様の来場を心よりお待ちしています。

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